静寂の扉 公演情報 643ノゲッツー「静寂の扉」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    しじまに鉦の音
    コミカルなタッチだが、その描くテーマは現代社会への鋭い問題提起..。
    しかし、その提起と終盤に描かれる少し怖い話の結びつきに無理が...

    ネタバレBOX

    タイトル通り過疎地帯の状況とそこで暮らす人々の希望と苦悩...現状の地方再生の問題意識も垣間見えるが、前半は坦々としたテンポで日常が描かれる。
    登場人物は、携帯電話も繋がりにくい過疎地に住む人々の苦悩、都会の生活に嫌気がさした人、さらに過疎地から東京へ移り住んだが、都会生活に馴染めず帰郷した人など...それぞれの意識や生活感の違いが上手く描けている。興味深いのは、就労への取り組みから生活用品までインターネットを通じて行える、と強がりを言いつつも、婚活に精を出す独身者(若者とは言いがたい年齢)の切実な姿が痛々しい。
    そして、特定の人しか感じない(聞こえない)鉦の音...実はこの地は自殺の名所で、遺体が発見された時は、役場の人間が対処(埋葬)する因習だとか。この”しじまの鉦の音”がフラッシュ照明と相まって怪しげな雰囲気を出す、見事な演出である。ただ、この過疎地の問題と自殺の名所の関連付が強引なような気がする。確かにサスペンス風...この悪しき噂を恐れた住民が鉦の音が聞こえないふりをする。結局のところ、、郷土愛に包まれたハッピーエンドに収まり、問題・課題を広げたまま収束した感じで物足りなかった。
    今後の公演にも期待しております。

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    2015/02/27 13:51

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