「戯作 肉体だもん」 公演情報 劇団ドガドガプラス「「戯作 肉体だもん」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    現代風…肉体の悶
    妄りに見せて淫らに魅せる、実に“華”のある芝居である。田村泰次郎作「肉体の門」を参考にしており、「肉体の解放こそ人間の解放である」というテーマ性は、十分に表現出来ていた。
    この「肉体の門」は、何度か映画化されており、自分は1964年、77
    年、88年制作を見たことがある。タイトルに象徴されるように「性」を題材にしているが、戦後間もなくの混乱期に女性が逞しく自立していく様が強調されており、本公演もその醍醐味は観せてくれたが…。と同時に個人(女性)としての愛憎も身近で愛らしい一面として描いている。多くの女優の妖艶な肢体が舞台狭しと跳ねる。
    少し気になったことも…。

    ネタバレBOX

    戦後の混乱期という雰囲気が感じられない。あまりに華やかでどん底から這い上がる、というバイタリティー溢れる感情が伝わらない。自分も戦後間もなくの頃は知る由もないが、少なくともデホォルメしたとはいえ、舞台のような艶やかさはないだろう。敢えての演出かもしれないが、テーマの底流は保って欲しかった。確かに公娼制度、性病、靴磨きなどというセリフはあったが、それは上辺の表現上のこと。もっと「性」で「生きている」という切迫感のようなものがほしい。例えば、性の縄張り争いは「生」に直結すると思うが、その抗争に緊張・迫力がない。もっと強かさがあってもよかった。
    歌・ダンスとの安定して良かったが、まるで”現代レビュー・ショー”を観ているようで、時代感覚にアンマッチさが感じられた。もっとも「目指せ、浅草公会堂」を意識しているかも...。

    今後の公演にも期待しております。

    PS
    今回は最前列に座ったが、冒頭のシーンで、客いじりを経験した。
    「お兄さん(実はおじさんだが)、私をいくらで買ってくれる...」と。まさしく肉体の悶を体験させてくれた。

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    2015/02/26 18:02

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