満足度★★★
落語をききたい。
怪談牡丹燈籠と言えば、六代目三遊亭圓生である。
特に「お峰殺し」。あのじわじわくる人間の怖さ。
小学生の時分でも「女の嫉妬は怖いなー」とか思っていた。
それにしても、加納幸和は要約の巧さは一品である。
記憶をおぼろげに辿ってみても、要所要所は押さえてある。
これほどに長い話をざらっと舐めるのは本当に大変な苦労である。
だがしかし、知る者に言わせれば、味わいたい部分が流れてしまう。
そして、長い長い上演時間150分。
帯に短し襷に長し。まことにじれったい。
何と言うか、薄味で美味しいコンソメスープをずっと飲んでいる気分。
とにもかくにも。
これを観劇したら、ぜひ圓生のCDを聞いていただきたい。
耳だけで聞く、というのが、また別の怖さを呼ぶことでしょう。