劇王 天下統一大会2015 東京予選 公演情報 劇王東京実行委員会「劇王 天下統一大会2015 東京予選」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    Bブロックと東京予選決勝
    6作品だけしか観ていないので個別の感想をネタバレで。

    ネタバレBOX

    アガリスクエンターテイメント『エクストリーム・シチュエーションコメディ(ペア)淺越・塩原組』
    着想の時点で作品の素晴らしさが確定しているような作品。短期間(中1日)で2度観たにもかかわらず、2度目でも大爆笑してしまった。アガリスクらしさというか、非常に計算されている構成と演出がツボにはまる。アガリスクの上手さは、物語の中で制限(ある種のルール)を設定して、そのルールとの関わりの中でシチュエーションコメディを計算ずくで展開していくところ。今作は、短編であるが故に笑いに特化している点が凄く好みで、笑い以外の要素を乗せたらこの作品が持っている純度が下がるのであろうと感じた。予選決勝では、逆にその点が観客票で評価されなかった、というか、少し「いい話」の方が会場の好みを刺激したようでとても残念だった。是非、鹿島・沈組の女優バージョンも観てみたい。継続的な再演に期待。

    B.LET'S『革命とレコード』
    意外と会場では受けていた印象だが、そこまで面白さを感じなかった。最後の講評でも話が出ていたが、情景が浮かばない。場面となる集会場の広さ、マンションの規模感などバックボーンが把握できないため、ギャップで笑いを取るようなこともできず、セリフの可笑しさだけで、勿体ないと感じた。


    オレの劇団『ゆるやかな死』
    この手の賞レースで、陰鬱で詩的な作品を持ってくる度胸には感心したが、短編で扱うにはちょっとテーマが難しすぎるのではないか。いじめや自殺を扱うのには20分は短すぎる。

    プラズマダイバーズ『ミスター桃色袋小路。』
    二人芝居で最後にドンデン返しを持ってくる構成が20分という短編の枠にハマって好印象。序盤の立ち上がりの分かりにくさの解消と、最後のドンデン返しにつなげる飛躍のためにもう少し理にかなった説明があれば、よりラストが際立つのではないかと感じた。

    たすいち『平行三角関係』
    ちょっとしたタイムパラドックスもの。3人全く違う俳優が時系列の一人の人物を演じている演出。男、女性、女子高生とギャップがありすぎて、受け入れきれない部分があった。あと、これは個人的な理由だが、タイムパラドックスにいついて、充分な説明がないのはNG。「(時間移動が偶々)出来てしまった」的なセリフには興醒めしてしまう。アガリスクエンターテイメントの『時をかける稽古場』がその辺りの処理が上手いこともありそういう雑な説明が流せない。

    青春事情『3』
    ルパン三世のオマージュとバックステージものと演劇を続けていくことに対する演劇人の悲哀のハイブリッドをバランス良く配合している。ラスト「いい話」でまとまっていたため、圧倒的な観客票を得て予選突破した。他意はないのだが、個人的には決勝の作品のなかでは、一番合わなかった。分かりやすい作りの方がいい場合もあるという賞レースの難しさみたいなものを痛感した。

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    2015/02/08 17:13

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