つくづくな人間 公演情報 マニンゲンプロジェクト「つくづくな人間」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    そこにいる理由
    デリヘル譲が待機する事務所で繰り広げられる様々な人間模様。
    キャラの立った登場人物と、それぞれの事情が面白い。
    シリアスな状況中でも、くすりと笑わせる台詞と間にセンスが感じられる。
    ただ、もう少し台詞を整理し絞っても良かったのではないか。
    いくら言葉を重ねても言い足りないという作者の気持ちはわかるが
    饒舌は時に焦点をぼやけさせる。

    ネタバレBOX

    オルゴールを手にした男が、3年前のことを語り始める。
    借金抱えていた彼は、デリヘル譲たちが待機する事務所で
    電話応対や送迎の仕事をしていた。
    ここで働く女たちもそれぞれに理由があった。
    交通事故で幼い子どもを死なせてしまい、その親にお金と花を送り続けている女。
    稼いだ金でダメダメミュージシャンの恋人を支える女。
    クールで常に周囲とは距離を置き、事務所の社長の愛人でもある女。
    何となくデリヘルになったが、客から“チェンジ”される女。
    たまたま事務所にラーメンを届けに来た出前持ちは
    ひょんなことからこのデリヘル事務所の人々に鋭く問いかける。
    「お前はいったい何だ?!」

    冒頭3年前を回想する男の一人語りが、ちと長かった。
    デリヘル譲たちとその彼氏や、“世間代表”みたいなオヤジなど
    キャラのバリエーションが面白い。

    「あきらめてる」と言う人に限って激しく執着している。
    「どうでもいい」と言う人に限って全然どうでもよくない。
    自分をどこかへ追い込む人に限ってもう十分だよと言って欲しいのだ。
    彼らのジレンマは極めて普遍的で、その極端な態度にも共感の余地はある。

    そんな中で「お前はいったい何だ?!」と問いかけるラーメン屋は
    改めて自分の内面に向き合うきっかけを与える存在なのだが
    ここでも少し台詞がくどくなってインパクトに欠けるのが残念。
    ヤクザな社長が出てきてからの展開や変化などはとても良かったと思う。

    「何食べる?」と聞かれると「何でもいい」と答えていた10代のころ。
    好きな人が「これを食べたい」と言えば
    自分もそれが食べたいような気がして疑いもしなかった。
    あの頃「お前はいったい何だ?!」としつこく聞かれることもなかったが
    この舞台の後、微かな反響が耳に残っている。




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    2015/01/30 03:27

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  • マニンゲンプロジェクト
    佐竹麻希さま

    丁寧なコメントありがとうございます。
    登場人物のひとり一人にどこか共感できるものがあって
    それがとても良かったと思います。

    同じ意味の言葉を重ねても、その都度プリズムのように違った色が出せたら
    素晴らしいと思います。
    期待しています。
    機会があればぜひまた拝見したいと思います。
    こちらこそどうもありがとうございました\(^o^)/

    2015/02/10 21:15

    ご来場誠にありがとうございました。
    受け取って欲しいと願いながら演じたメッセージが届き、こうしたたくさんの感想を述べて下さったこと、とても嬉しく、幸せに感じております。
    長いセリフまわしや比喩の重ねなど、マニンゲンプロジェクトの特色でもあるのですが
    色をなくさずシンプルに、または長さを感じさせない演者の表現方法はこれからの課題の一つであるとも思っております。
    これからも、お客様の心に問いかけ、訴えかけるような作品を作り続きていきたいと思っており、
    その物語を紡ぐ者の一人として、舞台に立っていきたいと思っております。
    また、機会がございましたら是非ご覧頂ければ幸いです。
    これからもどうぞ宜しくお願い致します。

    マニンゲンプロジェクト 佐竹麻希

    2015/02/10 13:50

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