満足度★
非常にもったいない公演
中程の席で聴いても何言ってるか聴きとれない役者が半分以上なのは閉口。この面子でノーマイクなら120席前後の小屋までが限界では。特に日程後半なのでなおさらつぶれ気味だったのか。身の丈に合った箱を選ぶべき。贅肉過多の本と多すぎる演者数。あまりに散漫で語る力が追い付かず内容薄いので何れも半分以下にするべき。春宮が佐藤の無念を「人殺ししてまで晴らすほど好き」という経緯を説明するくだりがない(省略されているというのではなくて単に「ない」)ので演者の演技プランが破綻していて結果単なるメンヘラ女になっている。序盤や終盤にでっぷりとついた贅肉を削ってでもこれは盛り込むべき。話の背骨が極細なのに多量の贅肉が重くて各所で複雑骨折を起こしてる。要治療。ラストの佐藤の長台詞の独白が録音なのは残念。常識的に考えてやむを得ない事情だったのかな等となるのだろうが、本来あそここそ「ピンスポの当たった佐藤のソロ」でやらなければ舞台演劇の意味がない。できなくてもできないなりにやらせるべきだし上記と並ぶキモの部分だ。やらせないのは演出の怠慢。終演時に「バージョン2が~」とかいうのは頂けない。木戸銭払った客に失礼。ラーメン屋で「次はもっと旨く作るよ」といわれたら今回はお金を取れないんじゃないのかな。言わなくてよい余計なことを言って客の気分を悪くさせる典型。このあたり次回以降は客の視点に立って考えるべし。春宮や佐藤についてる客は芝居をあまり観ない客だと思うのでこんな体たらくでも文句は言わないしそれ以前に気付きもしないだろう。都合「あれで自分には十分面白かった」という感想もまったく否定しない。しかしその脇には「贅肉過多で散漫」という感想もまたあるという、そういうこと。あのような箱であの所帯で公演を打てる力があるのだから非常にもったいない。完売で満身せず基本から見直してもらいたい。