満足度★★★★★
負け組は気から
どうしてだろう。
デパートの試食コーナーで、生ハムを何度も口に運んでしまう感覚だ。
子供騙しじゃない。彼らの「笑い」は適度なエスプリを含み、時代批判精神を保ちつつ、その場にいる観客を「勝ち組」に錯覚させる術がある。
『男は二度死ぬ~』。人物相関図が複雑だ。ショート・ストーリーズにも思えてくる。
若干のネタバレかもしれないが記す。
遊園地のヒーロー・ショー出演者が「墓場」なら、ドラマ・シーンをどう喩えたらよいか。うむ。「働き盛り」だろう。
今、汗だらけの者たちが「働き盛り」を過ぎし棺桶の幻という、この現実。しかし、『ライオン・パーマ』は そこにもメッセージを託そうとしない。
用意するのは「笑い」だ。そして、上品で知的。この謙遜がいい。