満足度★★★★★
繊細・ていねいに描かれる、家族の物語。
物語で設定されている、いわゆる東北地方の田舎町に生まれ育ったので、舞台セットの茶の間は「あるある!」となじみ深い光景。
兄、姉、妹の3兄弟と、姉の旦那、兄の友人らの、ごく日常が繰り広げられるが、ごく日常は、こんなにもたくさんのものをはらんでいるのかと、思わされた。とても繊細・ていねい。思わず笑いが漏れ起きるテンポよいシーンも端々にあり。引き込まれたあっという間の100分間だった。
淡々とした日本映画のような印象を受けるのは、オレンジ色に差し込む照明と、静かに流れる美しいピアノ曲の効果か。
兄妹、血のつながったものだからこその愛憎。
関係性の妙。家族。
なんだかんだ人が集う茶の間から、ピシーっと自分の日常に刺さってくるような言葉もあり。
最後は登場人物たちにえらい親近感。
若い(自分と同じ30前後?)役者さんたちもえらくハマっているというか、いい味わいですてきだった。
男尊女卑な感じとか、田舎のよくも悪くも共同体的な感じとかも描かれているが、賑わう東京・下北のど真ん中で、東京(都市)出身者の人はどう観るのか、など興味深い。
1つ言えば、お芝居のチラシから、お芝居の中身がイメージしづらい?!
小劇場楽園という地下の濃密な空間は、真ん中に柱があり、2方向から客席が舞台を囲む空間。舞台、役者さんが本当に近い!セットの作り方もユニーク!
どちらかというと正面の左の席もいいが、右手の席は”姉”の表情がよくみえて、こちらで観てもまたいいです。両方でぜひ。
アフタートークはおおいに笑いありで楽しかった♪(17日公演)。