こわれゆく部屋 公演情報 水素74%「こわれゆく部屋」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    初回の参加ですが,良かったです!
    駒場アゴラ劇場には一度いってみたかった。内容は,なんでも良かった。退屈するかと心配したが,そんなことは全くなかった。むしろ,どんどん入りこんでいった。今までにも,なんとなく同じ雰囲気の演劇がなかったわけではないはずだが,演劇のあり方,劇の表現,セリフの発し方などに非常に特徴があって,興味が増した。

    内容は,まず,事情があって,家出していた妹が,彼氏をつれて姉のもとにもどる。姉は,姉で,彼氏ができていた。ぎこちない,二組のカップルのぶつかり合いが前半のテーマだ。ひとりが少し何かを語ると,思いのほかおもしろいキャラクターがわかって来る。テーブルを囲んで,喧嘩したり,仲直りする場面に,たまたま自分が居合わせたような錯覚に陥る仕組みがある。

    後半の,大きなテーマは,ざっくりというと,介護士の隠された苦悩だ。経験を積むと,医療関係者は,ひとの病とか,死についても,無感覚になって,慣れていってしまう。たくさんの事例を扱うことによって,このあいだまで遊んであげた少女の死を知って,その日のカツ丼が食えるのは,あって良いことかどうかと・・・

    スピード感はほとんどない。ぶつぶつ,テーブルを挟んで,なんとなくつきあっている男女が,じつはどんな感覚を持っているのか,少しわかって来る。結婚しているひとたちには,それぞれに,なるほどこんな夫婦もいるのか,とか思っているのだろう。とても良い演劇であった。おそらく,こういう演劇がだんだんと支持される時代なのかもしれないと考えた。

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    2015/01/18 02:04

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