満足度★★★
ねじれ、が必要
愛をストレートに伝える作品。純文学のような空気感を意識して脚本が書かれている。ただ、それに演出と役者が乗っかり切れていなかったように思える。客の笑いや涙などの直接的な反応を求めてしまい、脚本の空気感を捻じ曲げてしまったように感じた(特に序盤)。観客の無反応を恐れず、全体的にもっともっと静かな空気でもよかったのでは。それこそ「悲劇的な『喜劇』」の喜劇の部分は消してしまえば…。いや、しかしそれをやったらただの悲劇になってしまう。あれは必要なねじれだったのだ。しかしそのねじれは如実に感じられた。語るべきところがたくさんある作品ではあると思う。