もうひとつの風 公演情報 enji「もうひとつの風」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    待つ女
    何が素敵って、この物語には愛があるからだ。。

    児島を好きになった小夜子の人生の物語なのだ。。


    以下はネタバレBOXに。。

    ネタバレBOX

    どうやら、カレー屋で待ち合わせた初老の男女は昔恋人同士だったようだが、結婚はしていないようだ。。

    小夜子は児島と今でも結婚したいらしく、女の、というか、小夜子の幸せは大好きな児島と結婚して児島と共にある人生らしい。。

    物語は児島の夢である漫画家になる経緯と若いころの二人の両親が営むカレー屋「ムスタール」での出来事から始まる。。

    「もしも、あの時・・・」と小夜子は児島とのやり直しの人生を、何度も何度も、繰り返し結婚という方向にもっていこうとするが、結果はやはり、どんなに、やり直しの設定を変えても児島は漫画家になるように、運命は決められてるようだ。。

    小夜子は何度も落胆しながらも、しつこいくらいにやり直す。。


    もしも、あの時・・・もしも、あの時・・・もしも、あの時・・・・と。


    途中で飽きるくらいもしもは続くが、うめずかずおキャラが出てきたり、オタクキャラが出てきたり、それなりにローラの話題を持ち出したり(苦笑)一部のマニアが喜びそうなキャラを押し出す!(^0^)

    そのつど、物語を巻き戻しする時間の操り方が絶妙なのだ。。
    巻き戻しの場面ではまるでビデオの中の役者が本当に巻き戻されてるように、動く。。動く。。

    シュルシュルシュル~~~っと。


    そのシュルシュルシュルは何度か使われ、非常に上手い演出なのだ。。


    もう1回やって!


    と叫びたかったくらいだ。。



    何故、そんなに何度も小夜子が拘って、もしも、あの時・・・とやり直したかったのか、終盤になって解る。。

    いろんなすれ違いがあったが、20年も待った小夜子は遂に児島と結婚することになるが、結婚前日、児島はやっぱり夢は諦めきれない。と告白し、明日に控えた結婚を破談にしてしまう。。

    小夜子は児島を愛するあまり、児島の申し入れを受ける。。
    「立派な漫画家になって下さい」と。

    謝罪してムスタールを出て行った児島は突然、走ってきた車に接触して命を落としてしまう。。
    小夜子のお腹に忘れ形見を残して・・。



    それから、小夜子は、しつこいくらいに・・・・振り返って、後悔する分岐点に戻れるとしたら?・・・と考えてしまうのだ。。

    あの時・・・あの時・・・もしも・・・


    そうやって、小夜子は今でも夢をあきらめられない男を待ち続ける。

    どうやら、カレー屋で待ち合わせた初老の男は小夜子が想い焦がれるこの世の者ではない男だ。


    物語はきちんと繋がります。

    enjiが得意とするなんとも優しく泣ける本です。。

    客席のあちこちですすり泣きが聞こえてきます。。
    ワタクシも勿論、うるうる(;;)


    なぜ、あんなにしつこく?

    そのしつこさに意味があったのです。

    最後の場面。

    小夜子は息子とカレーを頬張りますが、その背後には小夜子の両親がカレーを仲良く頬張っています。。

    そうやって命は受け継がれていくんですね。。



    美しい最後の場面です。。

    お勧め!

    4

    2008/09/04 19:08

    0

    0

  • ながいちゃ~ん>
    毎回、愛読してくれて有難う!(^0^)
    観客は自分の独特の感受性でキャッチしますからね、作り手や役者が絶妙なバランスで演じれば演じるほど、観客は響く領域が広がるのですよ。
    ですから、大きな空間に身を投じることが出来るのも全て演じ手のお陰なんです。

    毎回、感動を有難う!

    2008/09/10 23:41

    ご感想ありがとうございます。
    いつも読んで、なるほど。
    と思ってしまいます。
    演じているほうはわからなかったりすることが、往々にしてあります。
    見た人がどんどんふくらませていく所に感動いたします。
    また観に来てください。

    2008/09/10 23:17

    おーじ>
    男性は大抵、ロマンを追い求めるのかしらね~。
    う~~ん?女性の願いは人によりますね。
    女性もロマンや野心を求めたら結婚という枠に縛られたくないはず。
    女性は結婚すると男性より身動きとれないでしょう?

    本来なら、結婚も夢も両方、取れば?と言いたい所だけれど、そうも行かないのが現実ですわね。。

    はい。それまでの筋が最後の場面で収束し小夜子の気持ちが痛いほど分かって悲しく切ない物語でした。。


    はい。毎回この劇団は涙を誘いますね。。
    前回、お母さん役だった方が今回はトリッキーな役を演じてました。
    役者ですね。(^0^)
    はまってました!



    2008/09/05 01:33

    う~ん・・・、大人のおとぎ話のような・・。
    舞台になるのがカレー屋さんというのもいい感じ・・。
    淡く切ない、そういう恋愛物語だったのでしょか・・。

    人生は一度きりしかないから・・、やり残せばそれは悔いが残る事になるから・・、やれるところまで自分を試してみたい・・。
    意欲と才能ある男性ほど、そう思うでしょうね・・。

    一方女性は、やはり最終的なゴール、その人と添い遂げることこそ自分の幸せと思い、ひたすらそれを願う・・。

    この世に男性と女性がある限り繰り広げられる、永遠のテーマかも知れませんね・・。

    最後の結末が何とも切ない・・。
    だからこそ、泣けるのでしょうけど・・。

    それが例え束の間の一瞬だけであったとしても・・・。
    その瞬間、観ている者をストーリーの中へいざなってくれる・・。
    それはやはりいい作品なのでしょうね・・。

    2008/09/04 21:37

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