止まらずの国 公演情報 ガレキの太鼓「止まらずの国」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    2度目のガレキ観劇
    約3年前のアゴラ公演観劇以来チャンスなく、久々のガレキの太鼓観劇となった。
    不評を目にした上での観劇の感想は、「酷評する程ではないが、する人がいるのは分かる」。本の問題、演技の問題、両面の為せる仕業だが、私が気になったのは演技の問題。以前のガレキさんの舞台をおぼろげに思い出すに、作品の完成度は高かったがやはり演技面での詰め切れなさと、にもかかわらず役者らはしっかりと「動き」を見せている、稽古で積み上げた土台の上にそれらを展開している印象があった。この、動きの付け方・作り方に独特なガレキ式手法が導入されているのではないか、と勝手ながら想像され、リアルさを纏うのに今回は失敗したのではないかと・・相応の力量と役者間の演技のバランス、噛み合いを要する所、これが効力を発揮しなかったのでは、と見ました。
    脚本の問題では、ここに織り込まれた地球的視点や、日本を外から相対化してみるアイロニーは健全なものに思うが、台詞の捻りが乏しいと思える箇所、人物の動きの背景付けの弱さ、気になる所も色々ある。ただ、そのままやってリアルさを損なう台詞や動きは、辻褄を合わせ一貫性を持たせる役者の仕事であり、その気づきとヒントを与えるのが演出の仕事、だろうと普通に思う。その努力あったのかどうか、が見えないので、恐らく全く違う手順で作っていったのではないか、と想像した訳です。
    外国滞在での人や出来事との遭遇が、日本的常識を批判的に見直す「契機」を含み、それらを込めようとしたとおぼしい台詞から、作者の意図を(遠回しにであるが)感じる事は出来た。
    ただ、作者自らの体験が反映されている作品との事だが、もしかすると自分が得た感慨をそのままの形で作品化するのは難しいのかも知れない。一段上へ昇華した作品をみてみたい。

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    2014/12/28 15:17

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