タイム・フライズ 公演情報 ミュージカル座「タイム・フライズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    見応え十分!
    説明にある「昭和の団塊世代の若者たちと、閉塞感のただ中にいる平成の若者を対比させてジェネレーション・ギャップを描き、自分たちの時代は自分たちの手で創って行こうというメッセージを投げかけた。」は十分描かれたと思う。しかし、制作サイドの思いと同様に、観客側にもジェネレーション・ギャップがあったようだ。休憩時間に母娘の会話が聞こえてきたが、どうしてあの時代の学生はあのように熱くなれたのか…と。

    時代背景を描き切るには難しく、観る世代によって受け止め方も違うだろう。しかし、表層的に捉えたとしても青春群像劇の醍醐味は十分味わえる秀作だと思う。

    ネタバレBOX

    ストーリーは、説明文の通り。
    わかり難い点は、過去へタイム・スリップ、また逆に現代へ戻ってくる契機・原因の説明がないこと。しかし、まだ科学的に説明できないこととして、詮索は止めた。
    公演の底流にある若者が自立していく成長過程と国家・時代という大きなスケールの両面を上手く描いていた。特に時代(1968年)が沖縄返還前(当時は沖縄からベトナム戦争へ、そして現在でも米軍基地問題は解決していない)であること、1945年広島市への原爆投下によって体内被曝した女性が平和運動の延長として学生運動に身を投じる姿は、若者へのメッセージだけでなく現代に生きる日本人…一人間として魂を揺さぶられた。学生運動という行為の良し悪しは、本公演において問題にしていない、という点も当時では当たり前だったのだろうが、その評価は後世に委ねられた。
    舞台は、盆を回転させ躍動感、臨場感を増し、キャストの演技力をより一層引き立てた。申し分ない公演であった。

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    2014/12/24 17:45

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