シカク 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「シカク」の観てきた!クチコミとコメント

  • フルスロットル回
    ※ 最初に、観劇回数分の投稿すいません(4回投稿?)。
      自分も「観てきた!」回数分投稿してよいのかどうかまだ迷ってますm(_ _)m




    12/22(月)14:00 竹石沖野大神春原回観劇。

    覚えている限り本日の観劇で思ったこと(ネタバレしない方)。

    ・ (人生で関わった時間の長さではなく)
      舞台上で重なった時間(共演/競演)の長さが生きているとしか思えないほどに、
      出だしからカッチリと(いや、むしろ「ガチリ」と完全に)
      歯車が噛み合い続けた男3人看板役者陣。

    ・ 男Aを演じているのではなく「男A自身」としか思えないほど
      全ての演技が「竹石悟朗がする演技」ではなく
      「男A」そのものだった竹石さん。

    ・ (二度観だからこそ分かる)その表情、動き、発する台詞まで、
      全ての所作に男Bの抱える感情を
      (バレバレのオーバーアクションではなく
      あくまでも「知ってるから分かる」そのギリギリのラインで)
      載せてきた沖野さん。

    ・ ひょうひょうと、ウソもホントも自然体、「(脚本家に)造られたネタ」も
      「本当の会話」として(台詞を言うではなく)
      Let's会話のキャッチボール、
      喋って笑いを取ってけむにまく。
      
      演劇界のスマイル詐欺師大神さん。

    ・ (後から聞いたら緊張しまくりだったらしいけど)
      前回に比べ演技がノリにノッてる、
      その気持の表現が観ているこちらに痛いほど伝わった春原さん。
      (勘違いだったらすいませんm(_ _)m)

    ・ (今日はカメラが入っていたらしいのでそのせいか?)
      物語のクライマックスへ向けてのテンションの上がり方が
      いつもがスキーの初心者コースなら、
      今日はいっきに上級者コース、
      それぐらい「熱」を込めまくってた、
      まさにフルスロットル、
      (自分が観劇した中での)MAXボリューム回。

      ※ もしも今回の役者陣が今後の組み合わせ回
        全てもこのテンションで行くのだとしたら
        「役者としてのエネルギー」が
        千秋楽まで持つのかな?と素朴な心配も。

      男3人と女の見事な競演により、
      本舞台組み合わせ中で最高に引き込まれる回になりました。
      (自分の中での「ベスト回」更新)

    ネタバレBOX

    思ったこと(ネタバレ入る方)

    ・ 今日の組み合わせを最後まで観て思ったのは、
      男3人は初回も組んでますが、
      今までの観劇回とは「レベル違い」の出来かと。
      (撮影回だった事も関係あるのかしら?)

    ・ (久保田さんは)『シカク』の男A、B、C、女を
      竹石さん、沖野さん、大神さん、平山さん(か大友さん)を
      イメージして作ったのかな、と。
      ※ 女性が春原さんでない理由は単に「身長」m(_ _)m
        自分の中では女のベストは平山さんか「今日の」春原さん。

      ※ ただし、投票では「ベスト」なメンバーよりも、
        今まで「この役者さんの色んな演技をもっと観たかった!」
        という気持ちの方が強いので、
        男についてはそれぞれ別の方々を選びました。

    ・ 本劇は
      ───────────────────────
      暴行事件翌日の病院~バーベキューでの事故(?)
      ───────────────────────
      の間をループしながら、各シーンを、
      隠して、見せて、切り替えて、繰り返して、そして飛んで、と
      物語の各ピース(シーン)1つ1つを、
      バラバラのようでいて実は計算されつくした絶妙の配置で
      観せてくる(魅力の魅でも)。
      そして素晴らしいロジカルミステリを完成させていました。

      「このタイミングでそのシーンにつなげるか!」
      「脚本/演出家久保田さんはまさにタイミングの魔術師だ!」

    ・ 天井の棒が伸びてくる意味、やっと分かりました。
      あれ、(フライングして先(真実)のシーンを観せる時の)
      「謎の相手」との会話での「相手」だったんですね。

    ・ 劇中で男Aが語る「一流の役者」の定義がまさに竹石さん
      そのものに感じられるぐらいに、
      台詞も演技もその全ての動作が完璧に「男A」に成りきってた。

    ・ 男Bの抱える、
      役者に憧れ役者になった自分自身と
      殺された「じんぱち」の持つ記憶/感情
      (しかも徐々に全てが見えてくる(死角がなくなる))、
      「じんぱち」の記憶に支配されて及んでしまった凶行について、

      悩む自分と「刺客」として女を見張ろうとする自分、
      人生「けちょんけちょん」にされた悲しい自分、
      それら多くの感情を1つの演技、台詞の上に
      まるで歌でも歌うかのように気持ちの高音から低音までを
      滑らかに切り替えながら載せてきた沖野さん。

    ・ あくまでも自然体、そしてひょうひょうと若者たちをあしらう男C。
      嘘も平気でつくし女との関係の為に殺人だって犯す(女自身すらだます)。
      そして平然と女と結託し「男Bへの制裁」の準備を進めていた
      (内面に悪魔「許される殺人はある」を持つ)男C、大神さん。

    ・ 男Bが女に対して顔を伝えようと女の手で自分の顔を触らせるシーン、
      暗闇(死角)の場面から始まり
      事実(女が男が犯人かを確かめていた)を観せるその場面、

      今までの「女」役の中で一番、
      春原さんが「嫌です!」「ダメです!」の台詞に
      「男Bが犯人であった事に対しての怒り」を
      ダイレクトな演技としてぶつけてきたかと(声と震えなどを使って)。
      (事実シーンでは観ているこっちがブルッと来るぐらい、
      多分「怒り」の感情が伝わってきました。)

    ・ 観劇後の1時間トークショーで
      中村さんが「俺の男B、多分終わり方が他の男Bと雰囲気(?)違っちゃう、ごめん」
      と沖野さんにTelで謝ってたらしい( ´ー`)

      あと、各演者ごとにうっちーさんは「太さ」、春原さんは「高さ」など、
      個性を活かした脚本の変更をしていたとの事。

      そういう意味で、各演者に対して
      「演技自体にバンバン個性載せていいよ!」とまで
      久保田さんが言ったのかどうかはまた謎に戻ってしまいました。

      どうだったんだろう?

    ※ いつもだったら、1つの劇をこんなに複数回観劇する事には
      結構否定的なんですけどね、自分は。

      伏線回収の面白さがあるボクラ団義でも、
      3回観れば大体すべてつかめるかと、
      それ以上は自分に「無理」をしいているのではないか?
      本当に感情が全て”面白い!”に満たされているか?
      という疑問が湧くので。

      だけど今回はあくまでも「特殊性」の高い
      ”お芝居”というか自分の捉え方では「イベント」に近い感覚です。

      劇団ファンとしては「今まで観たかった(けど隠されていた)
      あの人達のあんな姿こんな姿全部見せちゃいます!」
      というよこしま?な楽しみ方で

      「ああ、全劇団員のメインキャストを観てみたい、
      そして自分が好きなゲスト様のメインキャストも観てみたい」
      という気持ちで連続観劇してしまってます。

      自分が好きな全劇団が同じような事をやったとしても
      やっぱり観に行っちゃうと思う( ´ー`)


    これくらいだったかな、とにかく気持ちを引き込まれる自分、
    椅子が小さいので足が痛い自分、のど飴を舐める自分、
    と一緒に色んな(主に)「褒めたい部分とその言葉」が浮かびましたね、
    今日の公演。

    PS.平山さん、和風美人というイメージだったのが元ヤンだったとは(´・ω・`)


    PS2.たびたびすいません、毎回思ってた事を今思い出しました。
    ・ 男Bがチェーホフ(?作家名でしたっけ)を
      一人芝居のように始めるあのシーン、
      沖野さんの演技のノリの良さがすごくいいな、と。

      あのテンションで沖野さんも(大神さんのビビットカフェみたいに)
      1人芝居をやったら面白いんじゃないだろうか?
      って思いましたね、
      観る度に「いいテンション」でチェーホフ始めて
      それについ女も乗って芝居を始めてしまう、
      あの求心力、なんか伝わるんですよね、
      「楽しそうだ」って( ´ー`)


    PS3.更にたびたびすいません。
    ・ 本劇男A役3人(組)を観てずっと不思議な感覚を感じていたのですが、
      男Aには他のメンバーとは違い、
      「物語のクライマックスに向けてのスターター」としての
      重要な役割があるのかな?と。

      開幕の長台詞、そして最後の締め台詞を受け持ち、
      そして何よりこのドロドロとした血の繋がらない兄弟妹の物語の中で
      最終的には「(単に)愛した女に騙され続けた男」としての
      客観的な立ち位置を持つ
      (直接的には何の罪も持たない)
      ストーリーテラー的な立ち位置の男A

      ※ 本物語中、ストーリーテラーは男3人が
        交代しながら繰り返すのですが、

      物語の序盤から中盤の展開について、

      ・ 男Aは
        ・ 女の「嘘」の理由を追う
        ・ 男Bの「嘘」の理由を追う

      ・ 男Bは女に近づきつつ自分の内面の心達と葛藤する

      ・ 男Cは基本事件を追っていない(三角の間は目立たない存在)

      ・ 女は自分に近づいた男Bの真実を追う

      そして、(図に出来ないと難しいのですが)
      中盤からクライマックスにかけて

      ・ 男A→男Bの問いかけで男Bは暴行の事実と
        本当の気持ち、自分が抱えてしまったものを晒す

      ・ 男A→女の問いかけで「嘘」と行動の理由に迫る、
        女と男Cとの異常な関係性を明らかにする
        (男Cを浮き立たせ、三角を四角にする)

      ・ 男A→(男Bからの情報を元に)
        男Cへの問いかけで男Cの隠された真実、
        この物語の最後の闇に迫る
        ※ 最後、男Cの真相
          (兄でなく弟が生き残った事、の場面を始める)
          そのきっかけは男Bですが

      そして、沈黙の5分を経て、バーベキューでの結末、
      と男Aには本物語で他の3人のお芝居に「熱」を入れる為の
      起爆剤的な意味があるのかな、と思いました。

      だからこそ、男A3人の違いで、
      本物語がいつ「爆発」し始めるか、
      求心力が高まるかに違いを感じたのかな、と悩んでみたり。

      ※ 脚本/演出上は
        「序盤からここまで静かで、ここでいっきに燃え上がる」
        みたいなシナリオは出来ているのでしょうが、
        男A次第で実際舞台上でのこの「燃え上がり」のタイミングや
        「性質」自体に違いが出てくる、ような気がします。

        男A、男B、男Cの3人(組)とは別に
        この男Aの三者三様(大神さんが入れば4人ですが)が
        本物語にどういう影響を与えているかを観るのもまた
        本お芝居の楽しみ方の1つなのかな、と。

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    2014/12/22 19:50

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