シカク 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「シカク」の観てきた!クチコミとコメント

  • 「ほぼ4人芝居」 男A×男B×男C×女=さていくつ
    ※今回はこの画期的なお芝居の形式
    (4役を色々な役者で演じ合う)という劇団の
    試み自体に対して☆5つ既につけているので、
    この投稿の評価欄は空欄にしますm(_ _)m


    タイトルに書きましたが、
    12/20 13:00 竹石沖野中村大友
    12/20 18:00 添田加藤内田平山
    と、今回別キャスト版の「シカク」を観劇して、

    男A×男B×男C×女

    を担当する各演者がどれだけの演技/熱量/挑戦を成し遂げるかによって

    10×10×10×10=(ちょっと大きすぎる値ですが)1万

    にもなるし

    1×1×1×1=(4人なのに)1

    にもなってしまう、
    そして(あくまでも会話(のやりとりの)劇なので)
    お互いに補いあい高め合うバランスが重要なお芝居なんだな、
    と感じました。


    あと別キャスト回を見て(多分ですが)、
    今回各役を務める演者陣(男Aなら竹石さん、福田さん、添田さん、大神さん)に、
    それぞれの役者としての「個性を出す」事が許されているのだな、と感じました。

    ネタバレBOX

    【まずはじめに】
    (どうしても表に書けなくてすいません・・・)
    企画演劇集団ボクラ団義、という劇団を既に知っている、観た事がある、
    あるいはゲスト様を知っている、という方たちなら
    それぞれ自分の好みや目的に合わせた組み合わせ回を
    観れば良いのですが、

    今回が「ボクラ団義初見」という方たちにとっては
    たまたま選んだ回によって
    「ボクラ団義」自体への評価が(悪い方向にも)確定してしまう、
    ちょっとリスキーな企画だったのだな、と感じました。


    今回の2組の役者陣、
    ・ 既に数回役を務め慣れてきた者(竹石さん、沖野さん、平山さん、加藤さん?、あと?)
    に対して
    ・ 初演/初回(中村さん、大友さん、添田さん、内田さん、あと?)
    という事からの緊張もありますし、

    ボクラ団義の最近の公演がメインキャストをほぼ看板役者に
    固定しているがゆえに、いつもは脇を固めているタイプの役者の方にとっては、
    いきなりの大役(初の少数長台詞の会話劇でのメインキャスト)という事への
    ハードルの高さ、緊張その他、

    色々と難しい問題があることを感じました。

    ※ だからこそ各役者さんの「いつもと違う姿」「挑戦」を観る事が出来る、
      という事に自分は興味を惹かれたのですが・・・




    初日初演の4人がそれぞれ10(に近い)の力を発揮した回
    「ベスト回」として考えた時、

    本日の観劇で、1人でも演技のバランスを崩す形になってしまうと、
    一気に4人芝居としての求心力自体が下がってしまう、と感じました。

    実際1人演者の方が緊張その他でお芝居の安定感を欠いてしまった結果、
    その他の演者の熱演ぶりも集中して観る事が出来なくなってしまいました
    (お芝居全体の求心力が下がってしまった)。


    多分、初見の方がこういう回に当たると
    「ボクラ団義はもういいや」と思われてしまうかと思います。

    なので、初見の方はぜひ
    看板役者陣+ベテランゲスト様の組み合わせ回を
    「初心者オススメ回」とでも提示した方が良いのではないかな、と。


    逆に劇団自体をそれなりの長さ追ってきてみて、
    この役者さんの「もっと違う役」「重要役」などを観てみたい、
    と思っていた自分にとっては
    その役者さんの「本質的な部分」「本当の力量(の一部)」「挑戦」など
    色々な面が観れてそういうマイナス部分も含め楽しいと思えるのですが・・・

    って、この情報は本当は表に書くべき事なんですよね・・・




    【本日の主な感想】
    ・ そもそも本劇について、当初から
      「各役を務める役者さんについて、”個性”を出す事が許されるのか?」
      が気になっていました。
      ”個性”を消して汎化すれば、どの組み合わせでもお芝居はやりやすくなりますが、
      そもそも「色々な役者の組み合わせを楽しむ」という事自体の意義が無くなってしまう、

      しかし各役者が同じ役に対してそれぞれの”個性”をどんどん入れていったら
      各組み合わせの時やりとりするお互いがかなり苦労する
      (=1人1人にそれぞれ役者としての高い力量が要求される)と思ってました。

      なので、久保田さんがどう演出指示をしたのかが気になっていました。

      結果として(多分ですが)、
      「個々の”個性”をどんどんぶっこみなさい」、
      「『俺だけの男A』『私だけの女』を作りなさい」、
      と言ったのではないでしょうか?

      演技/台詞自体にも(元々の役者としてのスタイル以上の)違いを感じましたし、
      その「挑戦」の一部を確認しました。

      例.(間違いでなければ)
        平山さんの「女」は包帯を取った後、目をつぶる(うすく開ける?)事で
        失明者を演じていたのに対して、
        大友さんの「女」は完全に目を開ける行為に挑んでいました。

        ※ 普通、目は無意識のうちに動くものその他を追って黒目の部分が動きますが、
          それを意志の力でずっと「前方」だけを見ていた
          (いわゆる盲の人を演じる)としたら、
          「すごい挑戦だな」と思いました。
          実際本劇中ずっと黒目は真正面を見据えていたと思います。

        演技力ならベテラン平山さん、と2回観て思いましたが、
        そういった「挑戦」や「自分ならではの『女』」を演じていた大友さんも
        これまた負けていないな、と思いました。


    ・ 標準的なお芝居は「1回勝負」(1回観てつまらなければダメ)というのが
      ルールなのかも知れませんが、
      本劇の本当の楽しみ方は、

      1.いくつものキャストとその組み合わせを観劇して、
        自分の中で色々な気持ち、感想を持つ
        (演技力を比較したり、
        演じ方の違い(○○さんの男Aは硬派だな!など)を感じとったり、
        自分なりのベストな組み合わせを考えてみたり)

      2.企画演劇集団ボクラ団義の全劇団員について、
        「いつもと違う役を演じる姿」を楽しむ

      という事なのかなあ、と。
      ある意味企画演劇集団ボクラ団義という劇団を楽しみにしている人たちに向けての
      お祭りイベント的な意味合いが強かったのかな、と思います。


    ・ (いつも通り?の)ボクラ団義お芝居への感想
      二度観で色々な事が分かる
      ・ こんな早くにもう結末を暗喩させるポーズや台詞を入れていた、
        という「伏線」への気付き
      ・ その「伏線」を使ったお芝居に、
        1度目とは違った感想を持つ
        例.男Bは普通にしゃべる時と心臓を押さえてしゃべる時とで
          殺された「じんぱち」と演じ分けられていた
      など


    ・ あと、
      ・ ボクラ団義に縁もゆかりも深いベテランゲスト陣の回も観たい
      ・ 竹石さん、大神さんの配役入れ替わり回も観たい
      今回の形式のお芝居だと本当に何度も観たくなりますね、
      いつもだったら「1つの芝居を5回観るとかありえない・・・」とか思ってるんですが


    ・ あと自分が見逃してた点など
      男Aは早い段階で「これではサンカクだが」
      「これは゛恋゛の話だ(過去の兄弟殺人や女の暴行事件を追ってもなお)」と、
      「シカク」の本質を観客に暗喩(か?)してるのですね、
      ほんとミラクルロジカルトリリカル(トリックだらけ)会話劇ですわ。
      最初闇だった世界が光に、しかし関係性の本質は光から闇に堕ちる。
      多分だけど男Bだけじゃなく女、男Cも死に、ただ一人、
      女に騙され続けた男Aが最後のストーリーテラーになって
      あの「シカク」の悲劇を締め括ったのかと。
      こういう劇も不条理劇っていうのでしょうか?





    本日も長々と感想すいませんm(_ _)m
    色々感じるもののある公演だったもので( ´ー`)

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    2014/12/20 23:22

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