満足度★★★★★
どうかしてる。
なんかすごいもん観ちゃったな。。。
ある意味マニア向け、そしてもちろん一見さんド新規ウェルカム。
ここ数年、何作も続けて観てきて、常にボクラ団義らしさを感じさせつつも、常に「いつものやつ」ではない。
今作は入り組んだ、二転三転する話ではあるものの、伏線がちゃんと回収されているさまが理解しやすい、いわばユーザーフレンドリーな作品と感じた。
これは主宰はじめメンバーの多くが「紅蓮」シリーズや「天誅」を経験した成果かもしれない。それが前作「耳があるなら蒼に聞け」で若干色濃く出ていたのが、今作で本来のボクラ団義名義らしさを取り戻した。
僕が観た初回は竹石・沖野・大神・平山という看板役者ド鉄板の組み合わせ。はっきり言ってこの時点で完全に「完成」つまりはこのキャストだけで全21公演やっても十分なレベル。これを全部の公演キャスト違う組み合わせで上演するというのだからやってることは「サーカス」(加藤凛太郎・談)に近い。それも100mを全力で走りながらやるような。
あえて注文をつけるとすれば、序盤の軽い感じが、中盤以降どろっとした世界へ浸っていくにつれて失われるのがちょっと残念。
それでも、その「軽い」言葉遊びのような台詞のひとつひとつがそれぞれストーリーに濃密に関連していることに気付きながら展開していくのは、ちょっと他では観られないレベル。
脚本・演出の久保田唱は毎度「頭ん中どうかしてる」等と称賛されているが、そのプロットから舞台作品に作り上げる過程(の役者や各種スタッフ等の仕事)は十分に評価されていないように思う。
個人的に見ていて楽しいのは福丸繚。成長著しい。