満足度★★★★★
引き裂かれた夢
まさに夢のように中心の物語から逸脱し様々に広がっていくイメージが面白かった。
私は古くからの桟敷童子のファンではないので、昔の作風は知らないが、近年の作風からすると少しテイストが違う。
平たく言えば、幻想奇譚というか、シュールレアリスム的世界。
そのチャレンジ精神が素晴らしいと思う反面、強度としてはいつもより弱い印象。
と言っても、このどのようにでも解釈できる世界を、そして多義的に張り巡らされたコードを、観劇後に色々と思い出し、考え直したら、観劇中にはわからなかった発見もたくさんあった。まるで夢解釈のような作業。
解釈に頭を悩ませるという二次的体験も含めて、珍しい体験ができた。
何より、今まで採用してきた方法と違う試みをするという姿勢が素晴らしいと思う。そして実際に新たな表現が見出されていたと思う。
※12/15:ネタバレの最後に追記しました。