十一月新派特別公演 公演情報 松竹「十一月新派特別公演」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    勘九郎鶴次郎は時期尚早
    「鶴八鶴次郎」は、大好きな作品で、10代の頃から何度となく観ました。

    物心ついた頃から、新派の舞台は、招待券で軒並み拝見させて頂いていましたが、あまり新派好きでない私の、これは一番好きな演目でした。

    鶴八役は、先代の八重子さんが、最高でした。

    鶴次郎は、18代目勘三郎さんの最後のシーンの名演技に泣かされたことが、記憶に新しいところです。

    大好きな作品ですから、若い中村屋兄弟が、どう演じて下さるのか、とても楽しみに観に行きました。

    七之助さんの鶴八は、初役にしては、及第点だったと思います。
    でも、残念ながら、勘九郎さんの鶴次郎は、まだまだでした.

    もう少し、年齢を重ねた後の、勘九郎鶴次郎に期待したいと思います。

    「京舞」の方は、この日のゲスト女優さんが、勘三郎さんを語るのを観たくないため、失礼して、帰宅しました。

    ネタバレBOX

    「鶴八鶴次郎」は、男女の恋愛の機微を見事に描いた名作です。

    お互いに、幼少の頃から、芸の上での兄妹の関係で、それがいつしか、男女の恋心に変わる鶴八と鶴次郎。でも、二人は、何かと言えば、芸のことで、諍いを重ねてしまいます。

    一度は、結婚を誓い合ったのに、鶴次郎の焼きもちから、また喧嘩別れとなり、コンビを解消した鶴八は、大店に嫁ぎ、鶴次郎の方は、酒に溺れて、田舎の小屋で、身を持ち崩してしまいます。

    縁あって、再会を果たした二人は、もう一度、共に舞台を務めようとしますが、鶴次郎なりの、鶴八に対する思いやりから、またもや、鶴八に喧嘩を仕掛けて、この共演は、身を結ぶことはありません。

    最後の酒屋の場面での、鶴次郎の、新内流しを聞いた時の、心情表現が、この芝居の核だと思いますが、まだまだ、若い勘九郎さんには、この悲しい男心を表現するには、無理があったと思いました。
    それに、お父様と違って、勘九郎さんには、好きな人を諦めた経験がないからかもしれません。

    いつか、お二人が、更に人生経験を重ねられた後に、再び、この演目を演じて下さる日を楽しみに待ちたいと思いました。

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    2014/12/12 01:49

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