夕空はれて ~よくかきくうきゃく~ 公演情報 こどもの城劇場事業本部「夕空はれて ~よくかきくうきゃく~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    リアルの立ち上がる臭い
    2015年1月11日青山円形劇場がなくなる。その円形劇場で最後のケラさん演出舞台を見て来た。「夕空はれて」脚本は別役実さん。僕が円形とかルデコとか好きなのは、形が変で、もうそれだけでエンターテインメントであるということと、あと客席と演者が近いから嘘がばれやすい劇場だということ。嘘がばれやすいということは、本当のことをやらないと面白くないということで、ハードルが高い分、もしそれが達成した時には恐ろしい快感が得られると考えている。演劇って「芝居くさい」というのが見下した感じで使われることがあるように、非リアルな表現形態と考えられる事が多いように思うけれども、僕的には逆で、むしろ演劇は生身の人間がそこにいるのだから、動けば汗もかき臭いもするということで、映画なんかよりもよっぽどリアルなことが出来るはずだと思っている。別役実さんの「夕空はれて」は非常に難しい本だと思う。なにが難しいって、あのような会話をしたことのある人は世の中にいないはずだから。非リアルな会話劇だ。だから、これ下手な演者、下手な演出ではまず成立しない。さらに最も嘘のばれやすい青山円形劇場であるから尚更だ。ところが、面白いぐらいに、嘘のない舞台になっている。仲村トオルさんの困惑を共有しない人はいないし、同じように何が正しいのか分からなくなる。言葉は言葉に過ぎない。この素晴らしい劇はコクーンとかでは味わえない。青山円形劇場じゃなくてはダメな理由が強烈にある。そして、この公演を最後に青山円形劇場はなくなる。だから、なんとしてでも観に行くべきと思う。リアルが立ち上がる臭いをかぐために。12月14日まで。

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    2014/12/11 23:19

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