満足度★★★★
アイリッシュバーの空気感を満喫
開演前と、幕間に、舞台上のアイリッシュバーが、本当に営業しているのが、心憎い演出。
セットがよくできていて、そのまま、芝居が始まるので、何となく臨場感を持続して、ステージの空気に溶け込めそうな雰囲気が素敵でした。
でも、残念ながら、開幕まで、「撮影禁止」の大きな看板を抱えて係のお姉さんが客席を縦横無尽に歩き回ったり、スーツの緊張しまくった若い男性係員が、SPさながらに、舞台の両サイドから、客席を監視していたり、舞台上のアイリッシュバーの客が、何気なく、セットの椅子に座ると、即座に、係員に注意勧告を受けたりと、出演者が作りたい和やかな空気を遮断してしまうかのような、制作サイドの過剰な気配りに、かなり違和感を感じてしまいました。
せっかく、舞台を解放するような粋な計らいをしているのに、任務遂行に忠実な日本側スタッフの仕事ぶりははっきり言って、空気読めない感満載でした。
舞台が、始まってからの、ステージ進行は、シンプルながら、アイルランドのバーを見事に再現したような、洒落た演出で、大いに楽しめました。
ただ、活気ある1幕に比べて、2幕の終盤は、普通のセリフ劇の趣きになり、楽曲が、バラード調であることも手伝って、やや眠くなる場面もありました。