ブロードウェイミュージカル「Once ダブリンの街角で」 公演情報 ブロードウェイミュージカル「Once ダブリンの街角で」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    アイリッシュバーの空気感を満喫
    開演前と、幕間に、舞台上のアイリッシュバーが、本当に営業しているのが、心憎い演出。

    セットがよくできていて、そのまま、芝居が始まるので、何となく臨場感を持続して、ステージの空気に溶け込めそうな雰囲気が素敵でした。

    でも、残念ながら、開幕まで、「撮影禁止」の大きな看板を抱えて係のお姉さんが客席を縦横無尽に歩き回ったり、スーツの緊張しまくった若い男性係員が、SPさながらに、舞台の両サイドから、客席を監視していたり、舞台上のアイリッシュバーの客が、何気なく、セットの椅子に座ると、即座に、係員に注意勧告を受けたりと、出演者が作りたい和やかな空気を遮断してしまうかのような、制作サイドの過剰な気配りに、かなり違和感を感じてしまいました。
    せっかく、舞台を解放するような粋な計らいをしているのに、任務遂行に忠実な日本側スタッフの仕事ぶりははっきり言って、空気読めない感満載でした。

    舞台が、始まってからの、ステージ進行は、シンプルながら、アイルランドのバーを見事に再現したような、洒落た演出で、大いに楽しめました。

    ただ、活気ある1幕に比べて、2幕の終盤は、普通のセリフ劇の趣きになり、楽曲が、バラード調であることも手伝って、やや眠くなる場面もありました。

    ネタバレBOX

    アイリッシュバーのカウンターの後ろに設えてある鏡が、そのバーの年代を感じさせる汚れ具合で、そこに映る主人公二人のギターやピアノの演奏姿が、実に生き生きと客席に見えるのが、大変効果的でした。

    他の出演者も、全員が、楽器演奏も、演技も、ダンスも、歌も、何でもござれの、真のアーテイスト揃いで、日本のミュージカルシーンでは、なかなかお目に掛かれない光景に、本場の層の厚さを痛感しました。

    つい先ほどまで、アイリッシュバーだった場所が、たちどころに、ダブリンの街の夜景になった時には、かなり舞台鑑賞が、日常的な私も、ちょっとビックリ。
    スタッフの手際の良さに舌を巻きました。

    お互いに、心では惹かれあう男女が、それぞれの相手の事情に配慮して、恋心を封印して、相手を気遣いながら、別れを選ぶラストシーンに、心がキュンとなりました。

    是非、今度は映画の方も観てみようと思います。

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