遺失物安置室の男/改 公演情報 劇団夢現舎「遺失物安置室の男/改」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    忽滑谷(ぬかりや)さんっ!<1度観>
    様々な遺失物を預かる場所は、“据え置いて祀る”という意味の安置室となっている。
    そこを管理するのは記憶を失くした、物と会話する男…。
    “人よりモノを優先する”という価値観が面白く、普通の人々とのずれが可笑しい。
    益田さん、声を封印するとはまた何という縛りだろう。
    声なき声を聴きたかった…と思わせるラストが秀逸。

    ネタバレBOX

    遺失物安置室の男は変わり者だ、引き取りに行っても返してくれない…。
    物と会話する男は、物の感情を理解し、ひいては持ち主の感情をも見通している…。
    そんな噂の男は、確かに人よりモノを優先し、モノたちが寝ている日中は
    探し物に来た人々が声を発することも許さない。
    ある日彼を「お父さん」と呼ぶ少女が訪れ、男は混乱する。
    やがてこの部屋が役所の通達により取り壊されることになる。
    モノたちの行く末、そして男の行く末は…。

    声を出さずに交わされるやり取りが、台詞が聴こえるようでやたら可笑しい。
    益田喜晴さんの全身を使った豊かな表現力が素晴らしい。
    イラつく高橋正樹さんの台詞も変化に富んで面白い。
    不気味な安置室の照明、上から吊るされたメッセージの数々、
    黒子が示す音のない台詞など、
    演出に様々な工夫がされており、台詞以外の舞台表現に関心した。

    自分の記憶を失うのと引き換えに、彼はモノと会話する力を得たのだろうか。
    人を拒否した結果、モノに心を寄せるようになったのかもしれない。
    モノを通して、人の身勝手さを痛感していたのかもしれない。
    モノは自然へ、環境へ、地球へと広がる入り口の象徴となっている。
    ラスト、遺失物安置室の崩壊は私たちの行く末を暗示しているようで慄然とする。

    それにしてもあの終わり方、思わず彼に問いかけたくなった。
    「忽滑谷さん、あなたの人生にいったい何があったのか」と。




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    2014/11/24 00:49

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  • 声は封じれば封じるほど聞こえてくる。そんな舞台になればと思っています。
    いつもご観劇並びにご投稿、誠にありがとうございます。
    忙しいとは存じますが、是非、2ど観をして、筋書きの分かるドラマを胆嚢して頂けたら幸いです。
    私たちはお客様の反応とご感想から日々改善を重ねておりますので、もしかしたら大きな変更点が多々あるかも?です。宜しくお願い致します。

    2014/11/24 11:06

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