満足度★★★★
正直暗い…。でも引き込まれる。
かつての束の間の栄華を表す「大栄町」の名前が虚しい、関西のとある過疎地を舞台とした途轍もなく暗く、寒々しい物語。
そこに暮らす人々の陰惨極まる生活が“まるで見てきたかのように”生々しく描かれ、否応なしに劇世界へ引きずり込まれた。
それだけでなく、土地の民俗までが描かれているのも面白味。
時代がバラバラな複数の出来事を同時に見せる凝った演出は劇の興趣を増していたが、この凝った演出に混乱させられ、一部よく分からない箇所があったのは痛恨。
多分、私の注意力が足りなかったのだと思います。
寒々しいがゆえに笑いを誘う、ある親子のやり取りは、基調が暗い本作の良きアクセント。