神ノ谷㐧二隧道 公演情報 神ノ谷㐧二隧道」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    見入ってしまった
    芝居の内容は重く、息詰まるような静かさと激しい怒りが織りなす中でアッという間に時間が過ぎてしまった。
    前作を見てなかったのだが、しっかり見ていると理解でき楽しむことができた。
    迫力ある演者さんが多いのでぜひおすすめしたい作品です。

  • 満足度★★★★

    短編二編
    緊迫感はあるものの、断片という感じは否めませんでした。

    ネタバレBOX

    国道9号線の近くということは分かりましたが、国道9号線がどこを走っているのかは判然としませんでした。関西の劇団、神ノ谷が被差別部落らしいことから関西の山村だとは思いましたが、アフタートークで京都府であろうことが明らかになりました。

    大栄町出身の大川祐吉という人物を創造して短編を作り、さらに彼や周囲の人のエピソードに基づいて短編を作って、繋いだり改変したりする手法によって、最終的には3時間の長編にすることを目論んでいるそうです。

    今回は、『火粉、背高泡立草』と『神ノ谷㐧二隧道』の連続上演で1時間強でした。

    『火粉、背高泡立草』では、後で判明したことではあるものの近親相姦的な恋愛があったことが明らかになりました。

    『神ノ谷㐧二隧道』では、それまで最低限度の付き合いで済ませていた神ノ谷の住民に対して、トンネルを掘って頭数を確認して税金を取り、さらにトンネルを掘って戦争に狩り出した過去が明らかになり、被差別部落を巡る政府の対応を知りました。

    それぞれに緊迫感があり、暗くドロドロした雰囲気は見応えはありましたが、やはり断片という感じは否めませんでした。
  • 満足度★★★

    真摯な姿勢
    「神ノ谷㐧二隧道」に繋がる、前々作、前作と観ていないので、本作だけの観劇になるが、過去・現在が入組む巧みな演出で、おおよそのストーリーは解った。

    そして、その演出故、細胞が少なくなってしまった脳をフル稼動させ、ちょっと疲れたか感もあったが、

    劇団の、演劇に対する真摯な姿勢を感じられたとても良い舞台だった。

    ネタバレBOX

    単管パイプと足場板を組上げたセットは、上演前からイマジネーションを刺激し、
    上演中は、シーンの場景を想像させた。

    ループマシンを使ったアコギがとても効果的であったが、
    音量が大きく、台詞が聞き取りにくくなってしまうシーンがあったのが残念。
  • 満足度★★★

    ゾッとした
    時代に翻弄された地方都市とその人々。
    決して土着的にならず、伝説的にもならず、そしてサンプルのようにならず。
    ちょっとした恐怖を味わえる作品だ。

  • 満足度★★★★

    正直暗い…。でも引き込まれる。
    かつての束の間の栄華を表す「大栄町」の名前が虚しい、関西のとある過疎地を舞台とした途轍もなく暗く、寒々しい物語。
    そこに暮らす人々の陰惨極まる生活が“まるで見てきたかのように”生々しく描かれ、否応なしに劇世界へ引きずり込まれた。
    それだけでなく、土地の民俗までが描かれているのも面白味。

    時代がバラバラな複数の出来事を同時に見せる凝った演出は劇の興趣を増していたが、この凝った演出に混乱させられ、一部よく分からない箇所があったのは痛恨。
    多分、私の注意力が足りなかったのだと思います。

    寒々しいがゆえに笑いを誘う、ある親子のやり取りは、基調が暗い本作の良きアクセント。

    ネタバレBOX

    一番笑わされただけでなく、一番惹きつけられたのも件(くだん)の親子のシーン。

    離婚した妻と暮らす思春期の一人娘をなんとか誘い出し、父親が目指した場所は鬱蒼として不気味な森に覆われた神ノ谷峠。

    自分が愛着を寄せるその地も、現代っ子の娘にはキモい場所でしかなく、娘は「イヤや」「行きたない」を繰り返すばかり。

    そんな娘をなだめすかして父娘(おやこ)水入らずのハイキングを強行し、なんとか娘と触れ合おうとする懸命な父親の姿には胸を打たれた。

    自分は同世代の娘がいてもおかしくない中年の独身者だが、もしも自分に娘がいて、ああも拒絶的な態度を取られたら、あまりのやる瀬なさに泣き崩れそう。

    それだけに、グチりながらも山を登った娘が、思いがけず峠に興味を示すラストには感涙しそうに…。

    が、父が娘をなだめながら峠へと導くシーンは、ハイキングに積極的な父と消極的な娘の温度差が滑稽極まりなく、先述の通り笑いを誘ってやまない。

    このシーン、おそらく脚本段階ではそう可笑しくなかったに違いなく、これを笑えるものにしたのは、頭悪げで何事にも無感動な現代ギャルを好演した娘役女優の技量と、その好演を引き出した作・演出家の手柄。

    笑いは演出次第でいくらでも増幅できるという好例を見せてもらった。

  • 満足度★★★★

    神ノ谷
    面白い。65分。

    ネタバレBOX

    「火粉、背高泡立草」
    大栄町に帰省した祐吉と高校時の彼女との会話。祐吉と別れ結婚し子ができても祐吉を想っていた彼女は祐吉に抱いてと迫る…。
    「神ノ谷第二隧道」
    大栄町の近くにある、(差別された土地?)神ノ谷の第二隧道が閉鎖されることとなるが…。

    「火粉~」
    祐吉の独白のような立ち上がりから、彼女との会話とも独白ともつかないシーンにシビれた。祐吉の母とその再婚者?(彼女の父)の過去シーンと、祐吉に迫る彼女の殺気じみた空気感がとても上手い。生演奏の後押しも非常に効果的だった。いい二人芝居だった。
    「神ノ谷~」
    神ノ谷の記念碑?をたずねる、男と別れた娘がメイン。「火粉~」とは違う空気はいいけど、ややぼんやりして見えたのが残念。娘の味気ない言葉にユーモラスさがあったのは良い。

    大栄と神ノ谷という地域性と、そこに住む人間のドロっとしたものが垣間見れた。不気味とは言わないけど、どこか落ち着かない感覚というか。
    照明の当て方が素敵と思う。

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