心の内と腹の底を手に取るように演技
いわゆるラブホテルに宿泊する一夜の住民だ。
6本の短編集が バリエーション豊かに、オチである「暗転」に向かい錯綜するわけだが、私が思ったのは「心の内」である。
通常、こうした種の密室劇は妖艶な衣装をまとう秘密のベージュだろう。ところが、この芝居は、シモネタにおいても恥じらって隠す部分のない、隠すことのない、小学生的会話である。性的にだれも傷つかない観劇体験が 「女性脚本家」の為せる技だった。
「暗転」ごとにラブホテルの部屋が交替していく。救急車といった環境音により証明される「時間軸」が 幕末の志士まで呼び、遊んでいるようでもあった。
演技はわざとらしい。