おとしモノ 公演情報 CAT-A-TAC「おとしモノ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    想像力の鍛え方
     
     本来、身体的パフォーマンスとイマジネーションの間には、何ら必然的な関係は無い。にも拘わらず我々は、ある動き、それも休止を挟みながら連続した動きを見せられた時に、その連関を意味付けようとする。それは、狩りや採集によって食糧を得ていた時代からの動物的本能によるものであろう。これ迄指摘して来た点は、逆に身体による形態模写や身ぶりによって、それを見る者に無限のイマジネーションの湧きあがり得ることを示唆する。
    (追記2014.9.30)

    ネタバレBOX

     
     今作のテーマは“おとしモノ”であるが、観客層が大人から子供迄と多岐に亘った為、中心テーマを赤ん坊にしたのは、無難な選択と言えよう。だが、2人だけのユニットであれば、もっと表現としてとんがったものを追求しても良いのではあるまいか? 殊に、藤田 善宏氏の身体は、かなり身軽で身体能力の高さを追求できるであろう。静止場面で、今回のように床がコンクリで怪我の心配が在る場合、オリンピックの体操競技のようにキチっと最後の動作を静止で纏めることが困難な場合は、回転を入れるなりなんなり、シナリオと演出の工夫で、どうにでもなろう。道化のようにコミカルにそれを演じても良いのであるから。
     また、形態模写をする場合、それを最初から創作としてイメージして作っていっては弱すぎる。矢張り、実際に起こった事件なり、事実なりのごつごつした感触をイメージした上で、それに対置して、エネルギーポテンシャルで負けないような表象を作って貰いたい。その上で日本人の身体特性について、或いは、自分自身の身体的個性について、それが最大限活かせるパフォーマンスを作って欲しいのである。
     テーマに関しては、今作の赤ん坊に絡めて一つだけ挙げておこう。弱い者にとって生き易い社会は強い者にとってもより良い社会である。

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    2014/09/29 12:07

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