黄金のコメディフェスティバル2014 公演情報 黄金のコメディフェスティバル「黄金のコメディフェスティバル2014」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    企画的に満点でしたヽ(´ー`)ノ
    第2回との事ですが、
    「コメディ」というテーマで演劇団体6団体が
    それぞれに与えられた45分を使って短編芝居を行い、
    それを審査員および一般観客で審査して大賞を決定するというこの企画。


    まず、投票する為には全劇団観劇しなければいけないという
    (当たり前ですが)このルールがいいですね。

    自分のお気に入り団体だけ観劇して投票、
    という偏った審査ではなく、
    (心理的な公平性はともかく)
    「全劇団を観劇した上で」投票する事になるという事は、

    ・ 各劇団に新たなファンの獲得チャンスを与える
      そして賞を狙う事により、更なる注目を集めるチャンスでもある

    ・ 観客側にとっても、新たな劇団を知るチャンスである

    主催その他の方いわく「演劇自体は他と比べるようなものではない」
    との事でしたが、こういう色々な劇団同士が自分達の
    お芝居内容を評価/比較され、切磋琢磨しあう事は
    劇団の為にもすごく良いのではないでしょうか?

    また、CoRich感想投稿者のように舞台を観て批評する、
    という人達にとっても、いつものように
    1劇団だけを観ての感想ではなく

    複数の劇団についてそのお芝居の内容を(出来れば)公正に審査し、
    批評する、という事に審査のプロ(?)と一緒に参加出来るイベントというのは、
    今後の観劇人生にとってのなんかの指標になるような気がします。

    自分は今回の自分の感想と投票内容、
    そして実際の各賞受賞劇団/演者さんについて
    とても満足しています。
    またこのようなイベントに参加したい、と思いました。

    ネタバレBOX

    各劇団感想おば。

    ●アガリスクエンターテイメント
    『出会わなければよかったふたり』

    本イベントの最初を務めるにふさわしい劇団、そしてお芝居でした。
    脚本/演出家そして演者が仕掛けた1つ1つのネタが見事にツボにハマり、
    会場中が爆笑爆笑また爆笑。

    そうやって爆笑で終わらせるようで、最後に主人公の見せる優しさが
    アクセントを加えるという笑い9割涙1割、
    演出/脚本家の方が言っていた「コメディがやりたくて自分はお芝居を目指した」という
    言葉にふさわしい見事な正統派コメディ演劇でした。


    ●バンタムクラスステージ
    『シャンタンスープ』

    コメディ5割にシリアス5割、「お笑い」の世界そのものについて
    切り込んだ力作でした。
    お芝居としては一番上手に喜怒哀楽の緩急を使い分けていたと思います。
    (「笑い」の世界でありながら時に緊迫の空気を作り、
    最後にはお笑いの世界の仲間たちの「友情」的なものまで生まれるという)

    ずっと投票で迷った劇団でした。
    最後は今回は「コメフェス」という事で票を外しましたが、
    大阪から東京に拠点を移したというそのお芝居を今後も応援したいと思います。


    ●ゲキバカ
    『ゲキバカ・ディスティニーランド』

    難しかったですね。最初顔をゴルゴ13調にした主人公の登場から、
    ちょっと「狙いすぎか?」という疑問がつきまとっていました。

    物語途中も「とにかく高いテンションで」という
    ”テンションコメディ”とでも言うような笑いの取り方で
    観劇3劇団目でちょっと疲れていた自分やその他の観客には、
    この笑いについていくのは辛かったかなあ、
    順番が早ければまた違った評価になったかなあ、と。

    なんとか賞を取られた女優さんいわく「まだ演劇経験は浅い」との事。
    お芝居の枠内に留まらないこの熱を、今後うまく放熱させる事が
    出来るようになったらきっと面白くなる、とは感じました。


    ●8割世界
    『ハッピーちゃん』

    2度のダンスなど、演劇構成にこだわった劇だったと思うのですが、
    ちょっとコント仕立ての笑いネタで、1つ1つのネタが引っ張りすぎたかなあ、と。
    例.ハゲネタなど

    ゲキバカさんと同様、このネタ振りについて行けるだけの体力があるうちなら
    もう少し笑えたかな?と思いつつ、「構成の流れは良いのにもったいない」
    と思わせられた劇団でした。


    ●おぼんろ
    『U&D&O』

    前説的に会場に現れた俳優が、「物語」に対する自分達の考え方などを伝える場面は、
    4時間以上観劇を続けてかなり疲れた思考に対して、
    一種の清涼剤のように良く響きました(いい事言うんだもの)。
    目が覚めた感じがありました。

    しかし、2人芝居の方、「自分の感覚を研ぎ澄ませて思い浮かべて下さい」という事で
    かなり2人の言葉が紡ぎだす世界を想像し、その映像を眺めていたつもりですが、
    「テーマ」が良く分かりませんでした。

    そして「コメディ」路線からは完全にハズレていたかなあ、と。

    観劇後のコメントなどでもやはりいい事言うんですよね、
    企画/演出兼俳優の方。

    次は何か「テーマ」を絞って2人芝居に挑んで欲しいなあ( ´ー`)
    2人のパフォーマンス付き朗読劇的なものと考えれば
    自分の好きなジャンルなので。


    ●ポップンマッシュルームチキン野郎
    『殿(しんがり)はいつも殿』

    休憩中トイレに行って帰ってきたらもう前哨戦が始まっていた。。。
    鶏メイクをする役者がメイク担当に対して、
    「俺の鶏に対してチキンのあいつが合わせられてないと思うんだ、
    なんで鶏がチキンに合わせる必要がある?」
    ともう笑いの攻撃が始まってました。

    この時点で
    ”本舞台前の攻撃は姑息だけど観客を喜ばせるという意味で上手いなあ( ´ー`)”
    と思わされましたが、この時点ではまだ今日はグーチームの
    ・ 正統派演劇
    ・ 「笑い」の世界をリアルに描くお芝居
    2つで決まりじゃないかな?
    と思ってました。

    しかし、何よりも本日の観劇コース的にも殿(しんがり)で、
    一番疲れた観客達を相手にする一番辛い立場なのにも関わらず、
    本日の演劇で一番「吹き出してしまった」(前の席の人には申し訳ないですが)
    爆笑の上限まで達するお笑いの上手さ、そして物語の奇想天外さと
    見事なコメディ、完全に「笑い」で観客席を掌握しておいて

    最後に悲しみ、そして愛と優しさをもって落とすという、
    すばらしい物語の起伏。

    やっぱりPMC野郎は単にブラックネタを盛り込む危険集団ではなく、
    ちゃんと邪道に正統派お芝居で泣かせてくれる集団でした。

    最後まで見ちゃうともう自分の中でランク変動激しくて、
    投票直前まですごく葛藤させられましたが、
    「PMC野郎がトップ」は外せないな、と完全に思わせられました。

    ※ 「ドキンちゃん」「瀬戸内寂聴」「資格のオーハラ」その他、
      危険なネタを沢山盛り込んでいる為、
      「優勝してもTVには出れないんじゃないか?」
      とずっと思ってましたが
      明日(9/29(月))の収録ではそこは一部回避策を盛り込むそうです( ´ー`)


    ●その他
    歌のイベントがある事は自分は知らなかったけど、
    いきなりアイドル登場はちょっと辛かったですね。
    応援したり直視したりしようにも、想定外の出来事だったので( ´ー`)


    ●表彰式
    最後の表彰式、審査員および観客投票によるいろいろな賞の受賞、
    多少手心?(というか優しさ?)を持った賞もあったと思いますが、
    今回のフェスに参加された各劇団が今後再びコメフェスその他への出場や
    演劇への思いを新たに切磋琢磨してくれればいいなあ、と。

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    2014/09/28 23:12

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