幻書奇譚 公演情報 ロデオ★座★ヘヴン「幻書奇譚」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    魅力ある設定
    脚本・演出は秀逸。ストーリーは説明に記されているが、ナノ法典を巡る謎、その取扱いをどうするか協議するために招聘された人の急遽実々の駆け引き。ミステリー風な仕立てながら、単なる謎解きでは終わらせないところが素晴らしい。
    劇中の激しい議論…その会話の応酬には社会、とりわけ政治・権力に対する鋭い批判が込められている。しかし、それは直接的ではなく、斜に構え皮肉たっぷりに描いている。だからこそ印象深くなっている。
    さて、そんな好公演に水を差すようだが、基本的なところで疑問がある。

    ネタバレBOX

    柳井氏の緻密な構成は素晴らしいが、次の点が分かり難い。
    そして、この疑問はストーリ-を展開する上で重要だと思っている。

    第一に、何故、元新聞記者・面堂氏(現うどん屋主人)が招聘されたのか。
    確かに以前、ナノ法典に関わっていたが、長い時を経ているのに招聘された理由はなにか。
    第二に、何故、ナノ法典が読めるのか。専門家・安西氏(日本考古学研究所の研究員)でも読めなかった。

    この物語は、結果的に面堂氏がストーリーテラー的な役割を果たしたように見受けられたが、先にも記したように何故招聘されたのか、という疑問が解けないと展開できないような気がする。
    時間的制約があったのだろうか…今は専門外な立場にいる人間を招聘するということの説明をしておく必要があると思う。

    物語全体は緻密に構成され、演出も適度なアイロニーがあり面白い。しかし、その冒頭部分が曖昧な気がする。
    素晴らしい公演は、足元から破綻しかねない、まさしく薄氷の上に成り立っている感じがした。

    今後の公演にも期待しております。


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    2014/09/19 23:13

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