イドメネオ 公演情報 東京二期会「イドメネオ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    父と子
    古代ギリシャの物語ですが、現代的な衣装を纏って場所や時代を特定しない形で演じられ、親から子へ受け継いで行くものに焦点を当てた演出となっていました。

    序曲が流れる中、父イドメネオが幼少のイダマンテに服を着せるモノクロ映像が舞台手前のドレープの効いた白い幕に流れ、父と子のテーマと服というモチーフが提示され、劇中でも頻繁に服を脱いだり着替えたりすることによって様々な関係や感情を表現していました。
    王子と結ばれようと策略を謀る女が思い通りに行かず半狂乱になり、服を脱ぎ捨てカツラを外し(中はスキンヘッド風に処理してありました)泥まみれになりながら高音で歌う姿が壮絶でした。
    フィナーレでは台本には無い、新王妃の出産シーンが演じられ、親と子の繋がりが強調されていたのが印象的でした。

    『フィガロの結婚』や『魔笛』といったモーツァルトの有名なオペラとは異なる、シリアスな質感の音楽を颯爽とドラマティックに演奏するオーケストラが良かったです。
    歌手陣は叙情的な部分の歌唱は聴き応えがあり、演技も棒立ちでも過剰でもなくて良かったのですが、技巧的な細かいパッセージの歯切れが悪かったのが残念でした。

    幅より奥行きの方が大きい傾斜したステージに砂が敷き詰められ、戦争の犠牲者達を表す大量の靴が散乱するなかで物語が展開し、後半では椅子やスーツケースも乱雑に積み上げられ、現在でも各地で起きている争いを思わせました。

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    2014/09/17 07:55

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