6C×BCS ~夏のショートストーリーズ~ 公演情報 シアターKASSAIプロデュース「6C×BCS ~夏のショートストーリーズ~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    短篇集の尽きない魅力
    ただ「短編」というくくりだけの物語たちを集めて上演する。珠玉の公演でした。
    あまりにもそれぞれの物語たちのカラーが違うのです。しかしそれゆえに楽しむことができました。
    普段は作・演出を一人でやっている6番シードとバンタムクラスステージ、その作と演出を分けた作品など、お互いの劇団のファンにしてみれば非常に新鮮に客観的に見つめることができる機会にもなり、1回では本当に物足りないものになっていました。
    ちなみに、「観たい」に書いていた各回2回は観たいという目標は、無事にクリアできました^^
    遠征者ゆえに中身を観てから追加ということはできず、2回しか観られなかったコースは残念でした。

    各回後のイベントもあったわけですが、特にスイカ割りと流しそうめんは次にいつお目にかかれるかわからないイベントでした。
    貴重な経験をさせてもらいました。ありがとうございました。

    一つだけ文句をつけるとするなら、舞台美術でしょうか。
    バンタムクラスステージは素舞台が多く、6番シードは舞台美術が凝っている。今回、その中間というよりは、むしろほぼ素舞台に近いものでした。今までに観てきた舞台で舞台美術が全く意味をなしていないもの、たしかにありました。ありましたが、やはりそれだとなんとなく消化不良感が残るものです。
    これで満足度が下がるわけではありませんが、必要無いなら舞台美術を排除するだとか、もうすこし舞台美術を考慮した演出をするだとか、勇気を持って欲しかったという思いもあります。

    以下各話ごとの簡単な感想をネタバレBOXにて。

    ネタバレBOX

    暗殺者の預言と預言者の暗殺
    …バンタム作品としてDVDで視聴していた作品。
     6番シード松本さんの演出でもかっこよくクール。
     宇田川さんと土屋さんのユニゾンは見事の一言。

    Re:
    …物語の根幹たる出だしを受け付けられず珍しくイライラしながら観劇。
     しかし答え合わせは秀逸でひきこまれた。
     イライラを感じはしたが良い話で終わる。

    天気と戦う女
    …観客・スタッフだけでなく登場人物たちまでもが主人公を応援する作品。
     パワフルな椎名さんなくしては成立しないコメディ。
     音楽の使い方などはバンタム細川さん演出の色だった。6番シードさんファンの感想を知りたい作品。
     全作品の中で一番すきな作品になった。

    わたしのラベル
    …19世紀パリの作曲家たちがもともとすきなこともあり楽しく拝見した作品。
     宮島さんが令嬢を好演。舌を出すシーンの妖艶さはまさに細川作品。
     山下哲平さんの繊細な演技に見惚れた。

    ジャガーノート
    …2013年1月の短篇集で観ていた作品。
     ただしダニーの役柄は初演時と異なっており、今公演ではダニーが戻っている。
     笑いに特化しながらも男女の物語となっておりギアの変え方が絶妙な塩梅。
     6番シード松本さんの演出と劇団員4名のみの安定感がかみ合っており11作品中もっとも「鉄板」な感じを受けた。
     なお、作中のセリフは公演期間中に結構変わっていた。笑

    ホームセンターズピリオド
    …2回めでオープニングアクトの秀逸さに気付かされる。
     緒方ちかさんの冷たい演技からの心がほどけるさまが素晴らしかった。

    幽霊アプリ
    …主人公の人物・背景が明かされていくにつけ物語に厚みが増す、
     当然だがなかなか普段感じないことを実感させてもらった。

    几帳面独白道化師
    …2013年1月の短篇集で観ていた作品。
     土屋さんのテイラーは反則でしょう。宇田川さんの「ノート」の傲慢ぶりも最高。

    バスケットボールダイアリー
    …不和チームのロッカールーム、絶対にうまくいかない女たち。
     同じ方向をむけない登場人物たちが実にパワフルに生きていた。
     空気を変える監督が舞台に現れるたび笑いとイライラが生じる不思議なコメディ。

    マリッジディープ・ブルー
    …軽快な男たちの会話、だまされない女たち。
     恋愛あるあるが詰まったバンタム細川さんの新作。
     椎名さん、栗生さんがとても新鮮だった。

    サザンクロスの咲く丘 ~ギブミーテンエン another story~
    …「ギブミーテンエン」、リンとガクの交錯。
     リンの愛、悲哀、憎悪、物語としては描ききられていないだろうが、柚月さんの丁寧な演技により紡ぎ上げられた情感がリンをかたちづくっていた。

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    2014/09/07 01:02

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