キスミー・イエローママ 公演情報 ゲンパビ「キスミー・イエローママ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    もっと引きつける何か。
    チケットプレゼントにて鑑賞させていただきました。

    ネタバレBOX

    ある町で電器屋を営むエッジ兄弟。
    幼い頃に両親を亡くし、二人で支えあって生きてきた。
    無愛想な職人気質で腕の良い修理担当の兄ケイ(泉政宏)と
    社交的で店の経営をしていく弟ユウキ(山本恵太郎)。

    ユウキは昔からの友人ダニー(深井敬哲)とともに無事大学に合格、
    そこで将来の結婚相手カレン(宍泥美)と出会う。

    町にある拘置所の職員ジョージ(蓮根わたる)と
    新人職員のリー(井上ほたてひも)は
    ハナ(三澤さき)の営む近くのバーに通っていた。
    その頃、ハナは雨の日に店の前にいた捨て子のスズ(篠原彩)を見つける。

    時が経ち、公務員となり選挙出馬を目指すダニーが
    店の経営が思わしくなく悩んでいたユウキにある話を持ちかける。

    それは拘置所で新しく導入される死刑執行の道具、
    「電気椅子」の整備の仕事だった・・・。


    (※以下、まとまりのない文章で申し訳ありません。)

    アラバマ州で使われる電気椅子のニックネームが
    「イエローママ」と言うらしい。
    そうすると、そのあたりをモデルにしているのかな。
    終盤に「温泉」というワードが出てくるのが違和感だった。
    人物の名前等から欧米的な世界を想起していたので。

    劇中の台詞にも出てくる「幸せの総量」とか、
    電気椅子にちなんだ「人生は椅子取りゲーム」だというのは
    まぁ理解できる。

    良いことの後には悪いことがある。逆も然り。
    幸運と不運は表裏一体、
    誰かが幸運なら、別の誰かが不運になっている。

    物語としても全体的に淡々と進んでいき、
    劇中の時間も急に進んだりするものの、
    展開に置いていかれるということはなかった。

    ただ物語や登場人物に感情移入する前に
    次へ展開していくように思えたので、
    もう少し引き付ける何かが欲しかったと思った。

    ケイが電気椅子にこだわる(魅せられる)様子、
    スズが電気椅子の廃止運動にのめり込んでいく様子、等々。

    誰かが幸運なら、別の誰かは不運であるというテーマなら
    そうなってしまう「もどかしさ」をもっと感じたかった。

    ラストもおそらく作家の挨拶文にあった、
    「幸せが具体的にどんなものかわからないけれど、
    とにかく幸せになりたい」というのを
    表していたように感じ取れたので、
    もっと各キャラクターに入り込めれば尚良かったな、と。

    この群像劇の中ではジョージが良かった。
    友人のケイ、部下のリー、通っているバーのハナらと繋がっており、
    時に悩む者の背中を押したり、話を聞いたり
    物語をも繋ぐ役目になっていた。
    加えて一番まともで現実的に共感しやすい存在なので、
    欲を言えば彼がもっと現実的な厳しさを明確に伝えれば
    更に印象が深くなるんじゃないかと思った。

    全体の空気感とか舞台美術とか好みだったので、
    また次回を楽しみにしたいと思います。

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    2014/08/28 11:19

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