満足度★★★★
骨太作品だが
初見の劇団であったが、見応えのある公演だった。その印象は調査し綿密に練り込んだ骨太な作品だと思う。下山事件が題材だが、人間ドラマを主軸に置く見事な公演だ。
さて、自分が生まれる前の事件ゆえ、リアル情報は持ち得ていない。自分が知っている下山事件は1981年公開の映画「日本の熱い日々謀殺・下山事件」に負うところが大きい。その頃は俳優座に知り合いがおり、同劇団の公演を観ていた。映画は俳優座も関係しており所属俳優が多く出演していた。その映画は同年の日本アカデミー賞で多くの賞を受賞するほどの傑作だったと記憶している。
さて、本公演も下山事件の沿革を辿るが、その手法は探偵が事件を追究するというもの。この件も映画と同じ(映画は新聞記者が取材)。舞台の雰囲気は当時の状況を彷彿とさせるような美術・音響効果で堪能した。
改めて、本公演も脚本・演出はもちろん、役者の演技も素晴らしく、秀逸なものだと思う。
しかし、気になることが…
(ネタバレBOX)