満足度★★★★★
やられた
シリアスなシーンの中にも練り込ませる笑いが絶妙な作風なのは既に認識していたが、今回は特に好みであった。
ラストシーン、主人公が何のためにあんこ餅を食すのかわかっていながらも、実際ステージ上に華やかなシヅ子が颯爽と出現したときに涙が湧いた。あまりこういう涙の出し方を経験したことが無く、貴重な経験をさせていただいたと思う。
もはや素顔がわからない徹底したメイクと衣装による造形は毎度素晴らしい(もちろんそこにきちんとした演技が載るからこその造形)。
客演陣、特に萩野崇さんは登場シーンでさっと空気がかわるほどの存在感、美津乃あわさんは美声・ダンス・芝居すべてため息が出そうにうつくしかった。藤田慶輔さんの骨太さと繊細さがあわさった演技もすばらしく、藤田さん演じる吉田茂の衝撃は一ヶ月経つ今でも忘れられない笑。
自己犠牲モノ、とそう言えばそうなるのだろうが、彼(犬)が自らの望みを全て叶えたのだという見方をすればけして犠牲とは言い切れず、そのバランスもまた良かった。
すごい舞台でした。今までのPMC野郎さんの公演で、ちょっと肌に合わないところがあるなという感じを受けることもあったのに、今回は全く気にならなかった。慣らされたということかもしれませんが。笑
次回も楽しみです。遠征になるので全公演を観られるわけではありませんが、期待と応援をさせていただきます。