河童 公演情報 DULL-COLORED POP「河童」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    社会批判
    芥川龍之介の「河童」が下敷。中学時代の読書感想文の課題図書だったと思う。だから遥か昔に読んだ記憶はある。しかし、内容は殆ど忘れていたので、観劇にあたり再読した。
    芥川龍之介の命日である7月24日(河童忌)には、霊媒師を通じてアフタートークに現れるのだろうか。日程があえば当日観劇したかったが…。もし芥川が今の時代を見たらどう思うだろうか。河童の世界から見た人間社会の痛烈な風刺。(日本)人が思っている常識は、視点を換えれば非常識なものかもしれない。例えば人間界では男性主導、女性受動という構図が見受けられるが、河童界では逆発想である。男女平等、雇用切捨て、など発表された1927年当時と比べて現代はどうか…。
    (ネタバレBOX)

    ネタバレBOX

    さて、公演であるが脚本着想は良いが、その演出は原作のエキスの大部分を取り入れようとしたこと、そして、その描き方がくどくなったこと。その結果、間延びし集中力を欠くことになった(休憩時間の踊りも含め)。もう少しシャープな演出にすることで印象深いものになったと思う。
    演技は、キャストが癖のある役を見事に演じ、見応えがあった。

    芥川は、師である夏目漱石が「猫」の視点で人間界を風刺したように、自身は「河童」を登場させた手法を、そして今度は芝居という手段で魅せてくれたこと、うれしく思います。
    今後の公演も期待しております。

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    2014/07/22 20:22

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