ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる 公演情報 風姿花伝プロデュース「ボビー・フィッシャーはパサデナに住んでいる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    これでも家族です!
    翻訳劇で崩壊していく家族の話は色々観てきたが、最初から崩壊してる家族は珍しい。
    何しろ会話が会話として成立しない。無茶苦茶!
    そして普段の会話では決してと言っていいほど使われない汚い言葉、心を刺す台詞。
    演出、俳優陣の演技には深みがある。素晴らしい!舞台セットもらしさがでてる。
    翻訳劇に興味がある方は観劇お勧めします(余談だが、俳優平岳大が観に来ていた)。ラストは翻訳劇によくあるパターン。
    これでも家族か思うくらいひどい、そして怖い、こんな戯曲よく書けたものだ。
    ラーシュ・ノレーンの名前覚えました!

    ネタバレBOX

    4人の会話が弾まない、空気そのものがそれを感じさせる。言葉を発しても話がまったく噛み合わない。皆自分の話だけして自分以外の人の質問に答えることはない。登場するのは、元女優で芝居好きの母親グンネル、仕事にかまけて家族を顧みなかった父親カール、教師で一人娘を4年前に亡くし離婚歴のある女教師で娘の死後アルコール依存症、もうすぐ40歳になる姉エレン、自閉症で突然暴力的になる弟トーマス。現在に至るまで皆心の底に瑕を追っている。
    罵り合い、傷つけあっても、家族は家族、離れることはできない。
    夜通し続いた様々な会話も果て、夜が明ける。皆話しつくしたのであろう人間本来の優しさをもち始める。
    折角揃った家族は別荘に行こうとするが、エレンは家に残る。
    そして、昨晩の会話の中で「明日死ぬわ」といっていたエレンは花束をテーブルの上に載せたあと、睡眠薬もってバスルームへ、そして自殺!

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    2014/07/19 01:06

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