オシラス 公演情報 電動夏子安置システム「オシラス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    陪審員制度の限界が見えて興味深い
    電夏が得意とするロジックで展開するコメディ。

    人は、所詮、自分の経験や主観で物事を見て考えるしかない、だからこそ陪審員たちが話し合うのだが、「十二人の怒れる男」とは逆に、ラストで陪審員制度の限界のようなものを感じてしまった。それは現在の裁判員制度への疑問にもつながる。

    コメディとして楽しめるが、ブラックユーモアには偏らず、「ただただ笑っておしまい」にもならないところが電夏のコメディの優れた点である。

    今回はあらすじを読んで期待が大きすぎたせいか、私の中では意外に平凡な印象に終わった。

    話の構成上やむえないのかもしれないが、冒頭の沈黙時間が長く、そのあと一気に惹きこまれなかったのが残念。

    上演時間も1時間45分くらいにして、テンポよくしたほうがよかったのでは。




    ※私自身かつて日本橋中州に住んでいたことがあるのだが、小伝馬町は神田には近いが日本橋である。

    江戸時代の古地図でも小伝馬町は日本橋界隈である。

    格別架空の町に設定したとは思えず、なまじ江戸時代の事件の疑似体験を織り込んだ劇だけに「神田小伝馬町」という呼称は気になった。

    ネタバレBOX

    なしおさんの演じた役が、火事の被害者だと思い込む場面、早くに彼女が「樽」であろうことが推測できるので、見ていてイライラしてしまった。

    道井さんがいつも通り、きっちりと運び、キーパーソンで笑わせてくれる。

    横島さんが冷静な司会進行役だが、彼の持ち味は明朗なコメディアンぶりにあるので、物足りなさが残った。

    岩田さんのちょっと根暗で神経質な変人めいた役どころは定番になりつつあるが、役どころとしてはそうなのだろうが、予定調和に感じてしまい、面白みが半減してしまう。

    特に冒頭のペットボトルの差異にこだわるところなど、役の描き方があまり効果的には思えず、わざとらしく感じた。

    岩田さんが、子供との面会時間を気にする女性陪審員に同情する箇所があるが、役としてのかかわりかたが脚本上中途半端に感じた。

    客演の根津さん、堀さん、杉岡さんが意外に地味な役どころで、もったいない気がした。

    「江戸時代の映像体験」が実は全員見えていないのがこの制度自体の狙いなのでは?と思ったが、ラストでくつがえった印象だった。

    そこは竹田さんらしい。

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    2014/07/16 14:01

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