満足度★★★★
暑いけどお勧め
当然ながら時間制限内で上演されなければならないため、あくまでもファンタジーの領域に止められている。
人間的な悲惨や矮小さは抜きにして(ミカドのような変な権力のことも省いてある)、西欧的な社会観でなく、東アジア的な、循環するような社会、歴史意識が実は身近に埋もれて在ることを指し示した文明論的演劇。西部講堂でやるのに相応しい、2時間弱に納まったのが信じられないほどのダイナミックな巨編。実際の上演ではかなり苦しい時間帯もあったが、良くしのいだ。
日本ではあの『吉里吉里人』等を代表格にして80年代の頭に幾つか大長編小説で出た“大きな物語”の系譜に連なるような劇。