満足度★★
わかんないものはしょうがない。
★2つは一回しか観ないという条件つき。
二回観たら★4つ。
わかんないんです。歴史を知らないから。
そういう人向けに「史実とされていること」と新解釈の差分を丁寧に説明してくれようとはしているのですが、その、台詞による説明が多すぎて頭に入っていかないのですよ。みんな限られた尺に収めようとするからどうしても早口になるのをギリギリ抑えてる感じだし。
もうひとつは、僕がボクラ団義に求めているものとはちょっと違ってきた点。
いつものやつだと、前半で、あらかじめ告知されていた「こんな話ですよ」的なテーマを片付けにかかって中盤「ほんとはそれちょっと違ってね…」と急展開から終盤で怒濤の伏線回収劇、ハッピーエンドとはいえないまでも希望に満ちたエンディング、みたいなの、そういうのが観たいのです。
そもそも幕末という実在のモチーフがもう本当の史実と司馬遼太郎あたりによる創作の境界が曖昧で、前提を共有してる間に話が進んじゃうんです。
もともと「史実もの」をやらないことがボクラ団義のアイデンティティだと思い込んでいたので。幕末とか三国志とか西遊記とか水滸伝とか。
「忍ぶ阿呆」も、まあ史実ものではあるんだけども。あれは信長が主役というよりも信長が暗殺された事件をを世にどう伝えるかという点に主題があったわけで。
今回のは、キャラクターとその心情を描くためにストーリーがある、という、おそらく久保田氏の頭の中での作り方としては従来と変わらないのだろうけども(*)、観る側からだとまるっきり反対に感じられる作品。
*久保田氏のインスピレーション
「バウムクーヘンが食べたい、と言わせてみたかった」
「船を作る話が書きたかった」
「いろんな時代の人がファミレスのドリンクバーに並ぶとこ想像したらおもしろいかなって」等
ボクラ団義のナンバリング公演ではなく、外部プロデュースに提供された脚本ならさほど不満はないのかもしれないけど…。
あと劇場内が寒い!
これから観にいく人はTシャツだと寒いので何か持っていこう。