透明で混濁した空想。
タイトルやチラシのデザインから受けるイメージとそう掛け離れた内容ではなく、安心して観られました。醸している雰囲気にピュア過ぎる印象がある反面、物語が進むとドス黒い感情が漏れ出たり。その対比を充分に味わうには、冒頭の早い内にそれぞれの人物の在り方を飲み込んでおいたほうがいいかもしれないです。客演が多いので演技スタイルに違いがあるけれど、それはそのまま人物像だと受け取ったほうが楽になると思います。個人的には夜虫が好き。台詞がない状態での松崎史也さんの演技をじっと観ていました。
マチネだったのも影響したのか、場内の暑さが気になりました。透明な空気感の作品なので、欲を言えば体感温度もそうありたかったです。客席は暑さで柔らかくぬるっとした感覚に包まれていました。なんだか触感みたいなものがあったんです。それは感じたくなかったので、空調の設定はもうちょっと涼しいくらいで良かったのかも。それも影響したのか、ちょっと長さを感じました。