パゴダの王子 公演情報 新国立劇場「パゴダの王子」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    アジアンファンタジー
    ビントレー芸術監督体制最後の公演はビントレーさんが新国バレエ団の為に作った作品の再演で、いかにもバレエ的なファンタスティックな物語バレエで気楽に楽しめる内容でした。

    兄を亡くした王女が継母に政略結婚を勧められるものの拒否し、醜い姿のサラマンダーと旅に出て試練を克服して、実は魔女であった継母から国と父とサラマンダーの姿に変えられていた兄を取り戻すという内容で、物語としてはありきたりな印象を受けました。

    書き割り風のセットや装束の衣装で和風(少々中国風?)なビジュアル表現が中心的で、第2幕の後半では音楽がガムラン風になるのに合わせてバリ風の衣装と振付が登場するという、あからさまなオリエンタリズム的表現を用いていましたが、幻想的な物語のせいか特に嫌な感じがありませんでした。

    振付はビントレー作品の中でもかなり伝統的な流儀に則ったもので、分かり易く美しかったです。第2幕の群舞ではビントレーさんならではのムーブメントも使われ、良いアクセントになっていました。
    音楽も難解な部分は無く、程良く用いられた不協和音や複調によるモダンな響きが緊張感や迫力を生み出していました。

    王女を演じた米川唯さんは表現のスケールが少々小さく感じることもありましたが柔らかな雰囲気が魅力的で、皇后を演じた本島美和さんとのキャラクターの対比が際立っていました。

    全体的にチャイコフスキー&プティパの3大バレエの流れを汲んだ様な作品で一般受けする内容だと思うのですが、客席にかなり空きがあり、来シーズンからは定番物ばかりになってしまうのも仕方がないのかと残念に思いました。

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    2014/06/15 22:52

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