満足度★★★★
情緒的かな
主人公は若年性痴呆症という説明文…もう少しこの問題を正面から捉えた公演だと思っていた。
さて、本題だが若年性痴呆症になった妻を温かく見守るその家族、そして夫との出会いを絡め、過去・現在を交錯しながら進展する公演である。先にも記したが、現代社会の大きな問題である認知症に関する捉え方が、あくまで個人的、家族的な視点で描かれており内包している重要性が感じられなかった。確かに家族との関わりは愛情溢れる演出であり心温まるが、やはり物足りなかった。もう少し社会性に踏み込んでいたら、さらに深みのある公演になったと思う。
タイトル「デッサン」の思いは伝わるが、今後の「デッサン」はどうするのか…その暗示となるような場面が欲しかった。
公演全体を通じてみれば、演出・演技は素晴らしく見応えは十分である。また、舞台美術も雰囲気がある作りで好感を持った。
今後の公演にも期待しております。