三条会の「真夏の夜の夢」 公演情報 三条会「三条会の「真夏の夜の夢」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    地に足が着いている
    小田島版の『夏の夜の夢』を、かなり忠実に使っていて、嬉しかった。物語だけを持ってくるのではなくて、ちゃんと、原作の言葉を、大事にしている。

    もともと面白い本だけど、それが、奇想天外な、でも地に足の着いた演出で、もっともっと面白くなっていた。なんというか、役者さんたちの動きが、訓練された身体を観るようで、新しい、伝統芸能を観ているような気がした。

    ネタバレBOX

    薄暗い森の、でっかい鳥居の脇を行った先にあるのは、小さな、仮設の円形劇場。円い舞台を取り囲むように、客席があって、そのこっち側半分に、僕らが座る。で、残りの半分、向こう側の半円に、妖精たちが居て、基本、舞台を観ている、という、『夏の夜の夢』の、同心円の構造通りの、オーソドクスなセッティング。

    舞台上の人々の風体が、みな、異様。これは、最初、びっくりしたし、怖かった。修行僧みたいに、坊主頭にメガネのライサンダーとディミートリアス。色気なく、髪をまとめて、これまたメガネの、ハーミアとヘレナ。ねじり鉢巻で、八百屋の主人みたいなオーベロン。キャップにフード、タバコをふかす、チンピラパック。彼らは、開演まで、じっとしていて、怖い。

    舞台が始まると、さっきまで固まっていた彼らが、急に、ものすごく生き生きと動き回る。あの異様な風体が、ダンスみたいに、狭い舞台を、軽やかに跳ね回る。結構にぎやかに演じられるのに、時々、はっとするほどの静けさに包まれる。彼らの動きは、本当に、訓練されていて、なんだか、能とか、狂言だとか、全然違うけど、どこか、そういう、めりはりのある、地に足の着いた動き。

    そこに、ちゃんと、原作に忠実な、綺麗な言葉が乗る。

    一つ一つの言葉、動きが、なんらかのコンセプトを持った、マイムのように演じられる。彼らの着ている衣装は、基本的に一人一色。それが、真っ暗な森の中で、スポットに照らされて、映える。

    なんというか、やわらかさの中に、とても硬質な、独自の理念みたいなものが見えるような、そんな感じ。それは、本を尊重しながら、物語の世界と、また、野外の森の、仮設の舞台と、調和していて、ものすごくふざけているのに、上品で、綺麗だった。圧倒された。

    いつの間にか、舞台上の、全員の、ファンになってしまった。いつまでも終わってほしくない、楽しい舞台。来年もあるのなら、是非、行かせていただきます。

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    2008/07/29 10:23

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