三条会の「真夏の夜の夢」 公演情報 三条会の「真夏の夜の夢」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
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  • 満足度★★★★

    地に足が着いている
    小田島版の『夏の夜の夢』を、かなり忠実に使っていて、嬉しかった。物語だけを持ってくるのではなくて、ちゃんと、原作の言葉を、大事にしている。

    もともと面白い本だけど、それが、奇想天外な、でも地に足の着いた演出で、もっともっと面白くなっていた。なんというか、役者さんたちの動きが、訓練された身体を観るようで、新しい、伝統芸能を観ているような気がした。

    ネタバレBOX

    薄暗い森の、でっかい鳥居の脇を行った先にあるのは、小さな、仮設の円形劇場。円い舞台を取り囲むように、客席があって、そのこっち側半分に、僕らが座る。で、残りの半分、向こう側の半円に、妖精たちが居て、基本、舞台を観ている、という、『夏の夜の夢』の、同心円の構造通りの、オーソドクスなセッティング。

    舞台上の人々の風体が、みな、異様。これは、最初、びっくりしたし、怖かった。修行僧みたいに、坊主頭にメガネのライサンダーとディミートリアス。色気なく、髪をまとめて、これまたメガネの、ハーミアとヘレナ。ねじり鉢巻で、八百屋の主人みたいなオーベロン。キャップにフード、タバコをふかす、チンピラパック。彼らは、開演まで、じっとしていて、怖い。

    舞台が始まると、さっきまで固まっていた彼らが、急に、ものすごく生き生きと動き回る。あの異様な風体が、ダンスみたいに、狭い舞台を、軽やかに跳ね回る。結構にぎやかに演じられるのに、時々、はっとするほどの静けさに包まれる。彼らの動きは、本当に、訓練されていて、なんだか、能とか、狂言だとか、全然違うけど、どこか、そういう、めりはりのある、地に足の着いた動き。

    そこに、ちゃんと、原作に忠実な、綺麗な言葉が乗る。

    一つ一つの言葉、動きが、なんらかのコンセプトを持った、マイムのように演じられる。彼らの着ている衣装は、基本的に一人一色。それが、真っ暗な森の中で、スポットに照らされて、映える。

    なんというか、やわらかさの中に、とても硬質な、独自の理念みたいなものが見えるような、そんな感じ。それは、本を尊重しながら、物語の世界と、また、野外の森の、仮設の舞台と、調和していて、ものすごくふざけているのに、上品で、綺麗だった。圧倒された。

    いつの間にか、舞台上の、全員の、ファンになってしまった。いつまでも終わってほしくない、楽しい舞台。来年もあるのなら、是非、行かせていただきます。
  • 満足度★★★

    賑やかな、正に真夏の夜の夢
    出演者も多く、演出ノートにも書いてあったけど「主役のいない話」なので、見るまえは不安でした。
    でも、夜の野外舞台に様々な色の衣装をまとった役者さんがならんでいるという世界が既に幻想的な異空間でした。

    「真夏の夜の夢」自体は特に好きでもないのですが、三条会のカラッとした演出で楽しく見れました。
    正に夏祭り気分。

    個人的には鈴木史朗さんをもっと活かして欲しかったな。
    江戸川卍丸さんが勢いがあって楽しかったです。

  • 満足度★★★★

    贅沢
    夏の夜の森の中でってだけで贅沢な気分になれますが、腰は痛いです。雷が光ったのもなかなか素敵でした。

    ネタバレBOX

    まさか大高さんがパックとは思いもよらず。あんなにやさぐれたパックを初めて観ました。笑

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