満足度★★★★
個性的なおもちゃ
ファンタジー”色”強い公演だが、その根本には鋭い社会批判が潜んでいるような気がした。
さて、本公演に関して、「なぜ君たちは僕の知らない場所へ行ってしまったの?」という説明文を読むと純真無垢のように思われるが、はたしてそのまま成長できるだろうか。多くの人は成長するうちに、幼い頃に遊んだおもちゃを捨ててしまう。少なくとも自分はそうだった。この公演でも成長とともにおもちゃでの遊びはなくなる(触れ合いというのが適切な表現かも)。”おもちゃ”からの自立は成長の証とすれば、自立出来なければどうなる?社会生活に支障が生じるのだろうか。そんな暗示場面もあった。”おもちゃ”を”ゲーム”に置換えると、現代社会に鋭く迫るものがある…と勝手に深読みしてしまった。
印象的なのは、”おもちゃ”たちの個性豊かで楽しいところ。実に活き活きとして心温まる演出だった。
今後の公演、ますます期待しております。