関数ドミノ 公演情報 イキウメ「関数ドミノ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    ネタばれ
    かなりネバばれ

    ネタバレBOX

    イキウメの【関数ドミノ】を観劇。

    ある交差点で車が青年を牽いてしまうのだが、青年は全くの無傷だが車は大破、そして助手席に乗っていた人は大怪我をしてしまうという奇妙な交通事故が起こる。その場所にいた当事者、目撃者、関係者を含めた各々に保険会社が聞き取りをするのだが、事故の真相は得られないまま終わってしまう。
    そして関係者の一人が、もしかしたら側にいた兄が青年(弟)を助けたという思いから、車の前に突然透明な壁が現れて青年(弟)を救ったのではないか?いわゆるドミノ幻想が働いたのではないか?という仮説を打ち出してくる。
    そしてその関係者の一人がその説を証明するために、HIV感染者とその兄との関係を意図的に作り上げた結果、そのHIV感染者は見事に治ってしまうのである。
    じゃ、ドミノ幻想とは何か?神の力か?それとも超能力か?と追求して行く内に、実は仮説を打ち上げた関係者本人がドミノ幻想の持ち主だと判明して行くのだが........。
    ドミノ幻想とは、人生で常に幸運を持っている人がいるという説で描かれている。不運に見舞われて人生を送っている人は、ドミノ幻想を持っている人が何時も側にいたからだと否定的に考えている。物事は捉え方によっては人間はいかようにでも自由にも不自由にも成れるし、否定的に考えてしまうと自由は獲得出来ないし、他人に対して嫉妬すらしてしまい、ドミノ幻想すら持てないという状況だ。
    そして人間が生きていく上で感じる矛盾や不満をどのように扱うかのか?
    そして人はドミノ幻想を持てるのか?持てないか?という疑問を大いに投げかけくる内容である。
    あくまでもドミノ幻想という仮説を元に進行していくのだが、ドミノ幻想を通して、自分の人生について俯瞰しながら考えさせてくれる作品であった。
    しかしドミノ幻想という言葉は本当にあるのだろうか?という疑問を帰りがてらネットで検索すると、そこで初めて作家の大きな罠に引っ掛かったのは自分自身だった!という答えが分かったのは驚きだった。
    そして今作も精神疾患について言及している辺りは見逃せない。

    かなりの傑作であり、お勧めである。

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    2014/05/26 13:15

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