満足度★★★★★
女の子Ver.と男の子Ver.の両方を観ました.
人間はつねに、さまざまな選択やありとあらゆる偶然を生きている.だから、「もしも」は、誰の人生にも数えきれないほど存在している.この芝居を見る者は、そのように誰にとっても普遍的であたりまえな「もしも」を、あらためて、これでもかこれでもかと突きつけられる.しかしこの芝居がそれを観る者に与えるのは、決してそれだけではない.
むしろ、そのようないくつもの「もしも」を通じて、人の過去、人の歴史、人の成長、人の課題、人の誇り、人の悲しみ、人の痛み、人と人との出会い、人と人との別れ、人と人との再会、人と人との結びつき、人と人との約束、そして、人の叶った夢と叶わなかった夢とについて、その意味を、あらためて深く噛みしめさせられ、深く考えさせられる.これはそのような、味わいの深い芝居である.