【無事終演しました】荒川、神キラーチューン【ご来場ありがとうございました!】 公演情報 ロ字ック「【無事終演しました】荒川、神キラーチューン【ご来場ありがとうございました!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    小野寺ずるの神演技が光る傑作!
    客演陣では堂本佳世さんとレベッカさんがとりわけ魅力的。2人の演じるキャラクターとヒロインとの皮肉な巡り合わせをこの上ない生々しさで描き出し、ハンパない切迫感で観る者を圧倒する凄まじい舞台でした。
    胸に痛い青春の劇としても、一種の心理ホラー作品としても出色の出来映え!!


    それにしても小野寺ずるさんは凄い。
    観に来てくれた知り合いと終演後にしゃべっている姿なんかを見ると、気さくで明るい普通の娘さんなのに、舞台に立つと神がかる。
    もし小劇場界にそういうものがあるのなら、今作での演技は本年度主演女優賞モノ。
    役が憑依したようなリアル度120%の演技に震撼させられた。。。

    ネタバレBOX

    ずるさんってどれだけ芸域が広いのか?
    前作で篠原ともえを彷彿させる陽気な天然少女を演じたかと思ったら、今作では真逆のイメージの自閉的マンガヲタ少女を怪演。

    今作は、このずるさんをはじめとする女優勢の優れた演技が、ただでさえ深みのある物語にさらなる奥行きを与えていた印象。

    小野寺ずる扮するクラスの日陰者・ショーコと共作マンガを手がけるモジャ髪のヲタ少女・百瀬を演じた山田佳奈さんも、演じ手が山田さんだと終演後に配役表を見てようやく気づいたくらい役になりきっていたし、大森茉莉子さんの悪女役もとても板についていた。

    そして何より、堂本佳世さんとレベッカさん。
    いじめられっ子のショーコに優しく接する担任・水野先生役に癒し系のムードあふれる堂本さんはぴったり。
    心身の不調から体育をサボったショーコに堂本さん扮する担任教師が菩薩さながらの慈悲深い笑みを浮かべて話しかけるくだりは本作一の名シーン。
    そんな優しい先生が痴情沙汰に巻き込まれて水死させられる羽目に陥るなんて悲しすぎます。。。
    レベッカさんは、クラス一かわいくて華やかな反面、家庭環境からくる影を隠しきれない女生徒役を妙演。
    宗教狂いのイカれた母に虐待されている彼女が「神様なんていない!」と世を呪うショーコにシンパシーを感じてお近づきになろうとするくだりはレベッカさんの迫真の演技が生きて、並々ならぬ説得力がありました。
    このレベッカさん扮するシオリが、ショーコにとって光であるシオリが、母と愛人二人に監禁されたすえ殺されたと判った時の戦慄たるやありませんでした。。。

    長じて母校の教師となった10数年後のショーコを演じた円山チカさんの演技も秀抜。
    殺された水野先生に己の境遇が似てきていることに気づき、戦々兢々とする女教師をじつに生々しく演じていました。

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    2014/05/22 11:36

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