グレイトハンティング 公演情報 劇団HOBO「グレイトハンティング」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    楽天的な世界観は相変わらず
    私にとって2回目のHOBO。
    主要キャストではこいけけいこが最年少という、平均年齢の高い座組は相変わらず。
    この座組だから成立する、落ちついた大人のコメディを全身の力を抜いて楽しみました。
    とはいえまったりしているばかりではなく所々にドタバタシーンが入るところや、ヒッピー思想に支えられた楽天主義が劇世界の基調を成しているのも相変わらずで、前作同様、観ているうちにいくぶん気持ちが楽に。
    とても良い、心の換気ができました。

    有川マコト演じる、胡散臭いダメ男が可笑しかった。

    ネタバレBOX

    南の島の民宿が舞台だった前作に対し、今作の舞台は山岳地にある喫茶店。
    両作はとても似ていて、どちらも夫婦者が切り回していること、それぞれの場所を拠点にコミューンのようなものが出来ており、出入りするメンツの多くが都会暮らしに疲れて僻地に逃げてきた者であることなど、多くの点で共通している。

    ただ一つ大きな違いは、本作が社会派の色を強めている点。劇は1999年の夏から始まり、一同で9.11のニュース映像に驚きながら見入るシーンを山場として収束へ向かう。
    舞台となる高地がダム建設の影響でさびれゆく限界集落であることも社会派色を強める一因になっていて、この限界集落の問題は今日ますます深刻の度を増している。

    時代が変わったことを言いたいのだろうが、私見を言わせてもらうなら、過度に社会派色を打ち出すのはユルフワなHOBOの世界をぶち壊すと思う。

    個人的には、社会派の劇に仕立てるために費やした結構な時間を、前作にあったような“大人の恋の詳細な描写”に充ててほしかった。
    本間剛と小林さやか演じる男女が“一線を超えた”ことをほのめかす前作のあの場面は今でもはっきり記憶に残っている名シーン。
    本作でもふた組の“大人のカップル”が誕生するが、親密になってゆく過程がまるまる省略されているのは正直もの足りない。

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    2014/05/21 14:50

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