昭和レストレイション 公演情報 パラドックス定数「昭和レストレイション」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    適度ナユーモア描写ガアリマス
    今回もデリケートな題材で更に深刻度が増すのかと思いきや、軽快な会話が多く緊張感は薄い。
    あの人の扱い方をこうさせるかと感心して見たり、若者と大人の対話についハッとさせられたり。この作品の中で例えるなら大人側の年代に片足を突っ込んでいるし、自分も歳を取ったもんだw。
    近藤さんが参加する事で、役者のパワーバランスみたいな物が崩れるのではないか、と不安もあったけど、全く違和感なく馴染んでいたのにも嬉しく、今回の陸軍中尉役の植村さんのスラスラした美声から軍人としての誠実さや乱れぬ姿勢まで、とにかく良かった。ってか全員良かった。
    この話には絶対必要な雪と木製スケルトン仕様のセットも見やすい。
    面白かったです。約110分。

    ネタバレBOX

    首相官邸襲撃直後、首相と護衛警察官2人の血だらけの場面から話は始まる。この場面だけで一気に世界に惹き込まれるが、一旦陸軍一派がその場を立ち去った後から絶命していたと思っていた血だらけの3人が息を吹き返し何事もなかったかのように(自分の身に起きた事に理解しているけど)会話し始めるのである。撃たれても死なない首相、軽い、明るい、ゾンビかw。首相をこの立ち位置に見せたのはとても効果的で面白かった。

    首相たちと陸軍兵たちの追いかけっこや交流に、途中まで‥ドリフか?等と、今回かなり異色作品だなーと思ってたら、自然に核心でもある事件の話に焦点が移ってた。
    青年将校達の国を思うが故の行動、若い思考の根底に純粋さや熱意があり、それが無謀や愚行に繋がる事にもなり、それを穏やかに指摘する彼等よりも30年先を生きて来た、大人は子どもに説教する警官の実感こもった発言と、それに対し「歳月を言い訳にして僕たちを上の方から見ているだけだ」という返答にそれぞれハッとし通しだった。
    いずれにしても「少年兵」なんて言葉は、今後も死語として使わないにこした事はないが。
    最後、反逆の行為を自覚した将校達と雪合戦の遊びに興じる大人達、降りしきる中に投降を呼びかけるビラが落ちてくるが、とても美しく切ない場面だった。

    客席近くにそのビラが落ちて来たので、許可頂いて持ち帰った。
    ハガキ大の用紙に、文面は縦書きで以下の通り。(旧漢字仕様)
     下士官兵二告グ
    一、今カラデモ遅クナイカラ原隊へ帰レ
    二、抵抗スル者ハ全部逆賊デアルカラ射殺スル
    三、オ前達ノ父母兄弟ハ国賊トナルノデ皆泣イテオルゾ
    二月二十六日 戒厳司令部

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    2014/05/19 14:57

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