満足度★★★
意外でした
2・26事件が題材ということで、きっとかなり終始息を呑むようなストーリー展開なのだろうと予想していましたが、意外も意外!
途中までは、コントめいた雰囲気で話が進むので、会場には笑いが絶えませんでした。
井上さんの「ムサシ」に似た劇構成のようにさえ感じられました。
野木さん流の、機知に富む2・26事件の切り口の斬新さには感嘆しましたが、でも、この事件の本質をあまり良く知らない観客が観ると、作者の作劇意図が全く見えて来ないのではと、危惧する部分も多々ありました。
パラドックスの役者さんの中で、近藤さんは浮いてしまうのではないかと心配でしたが、それは全く杞憂に過ぎず、見事に溶け込んでいらっしゃいました。
若い将校達の居住まいが、それらしく、この劇団の役者力はいつもながら、卓越しているなと思いました。
シュールで、アイロニーに満ちた野木版、2・26事件芝居です。